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円・ドル相場への政府の秘密介入が明るみに出たってことで、

ドルが高く(円が安く)なって、今日の株価は急騰しています。これ、誰も気が付かなかったんでしょうかねえ。日足見てれば見え見えだったんですけどね。コメント元の日記にも書きましたけど、この当時は、朝十時ぐらいになると、ドルが急に上がって、夕方まで、ドル高が続き、夕方5時を過ぎると、ドルが急に下がると、そんな動きを何日か続けていたんです。全く、役人というものは……、とその時思いましたね。

メルロー・ポンティという哲学者は、現象学のフッサールの後継者と目されていた人ですが、その人の本に、「説明」を否定し、我々にできることは「記述」することだけだ、という趣旨の言葉が何度も何度も書かれています。でも、そのあとで、人の心をゲシュタルト心理学かなんかで、一生懸命説明しようとするんですね。

ドル相場の例では、刻々と変化するドルの相場(日足グラフ)が、ドル相場の記述であって、政府が介入したからそのような動きをするんだ、というのは「説明」にあたります。でもこれ、絶対的な真理や原理からの説明ではありません。相場の変化を見ていれば、オヤ、っとおもうことがありまして、さては、誰かが操作しているんじゃあ、と考えるのは普通のことでしょう。つまり、「仮説」を立てて、それに基づいて「説明」するのは、なんらおかしくはないってことです。全てを悪魔の仕業である、などというように、絶対的原理で説明しようとすれば、そりゃ間違いだよ、というしかありませんけどね。(そうえいば、「神の見えざる手」なんてのもあったな。これは、ジョークということにしておこう。)

仮説から現象を説明するのは、現象を記述することとほとんど違いはありません。林檎を見て、そこに林檎があると言うんだって、ある意味、仮説ですよね。本当にそれが林檎かどうか、わかったもんじゃありませんから。