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文化・常識とコミュニケーション行為の相互作用、

文化・常識とコミュニケーション行為の相互作用、ってことを、文化を含むコミュニケーションモデルを使って、考えてみましょう。

普通のコミュニケーションモデルは、

【発信するメッセージ】→【伝送路:ノイズが乗る】→【受信されたメッセージ】

といった形で書かれますが、文化を含むモデルでは、

【発信者の真意】→【発信者の文化でメッセージ形成】→【伝送路】→【受信者の文化で解釈】→【受信者の理解】

といった形で書き表されます。

この場合、発信者がメッセージを形成する段階と、受信者がメッセージを理解する段階で、それぞれの文化が作用します。

また、各人の持つ文化は、各々が生まれてから、様々に他者とコミュニケーションを続ける過程で形成されたもので、それぞれの属する社会に影響されます。

人は様々な社会に同時に属します。だから、一人の人は複数の文化を理解し、いかなる社会に向けてメッセージを発信するか、いかなる社会のメッセージを解釈するか、によって、そのコミュニケーション行為に用いる文化を切替えています。

例えば、家庭の中の会話、会社の中での同僚との会話、学会での質疑応答、地域での隣近所との会話、等などの局面で、表現のし方は当然異なるし、理解のし方も相当に異なるでしょう。

幼稚園、小学校の教育で、人は、家庭という社会だけでなく、あかの他人を含む社会があることを学びます。小学校高学年から、中学、高校、あるいは、大学までの過程で、上下関係のある社会を学びます。ある段階で、学問とは何かを学び、全ての人類に普遍的に共有される知識の存在と、それを可能とするコミュニケーションの技術を学びます。これを、「ある段階」というのは、それが人によるからです。人によっては、中学、高校でも獲得するだろうし、人によっては、大学を出てもわからないんですね。

仲間内のコミュニケーションは、甘味なものだと思いますが、それだけでは、学問にはならないし、全地球的問題を解決することもできません。そんな事をしようと考えているのなら、どこかの段階で、普遍的コミュニケーションのレベルに、引き上げを図る必要があるんですね。