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イラクとメガバンクの危険な関係

イラク侵攻に対する反戦運動が各地で燃えあがっています。

米国の株価は開戦延期で上げており、日本の投資家も、戦争回避を期待して株を買っています。こんなのを見ていると、株の売買をする人って、余程の楽天家ではないかと思ってしまいます。まあ、そうじゃなければ、相場なんか張れない、って面があるのかもしれませんが。

ブッシュは、短期間の査察延期を受け入れましたが、それも、開戦準備ができるまでの短期間です。ブッシュが絶対にやるとしたら、それが三月に確定的となるのは、日本経済に深刻な打撃を与えるリスクが非常に高い。

開戦が決定すれば、ドルが下がり、株価が下落する可能性が高いのですが、現在の株価が楽天的予測に支えられているとすれば、市場に大きな衝撃を与え、下落幅もまた、大きくなることが予想されます。そう言えば、今日のドルも株も、多少下がっていますねえ。ヤバイと感じた人が出始めたのかな?

銀行は、大量の株を保持しているのですが、例えばみずほは日経平均 8,500 円を目処に株を売ることを再建計画に含めていますし、三月末に日経平均が 7,000 円を割るような事態になれば、銀行の決算に大きな影響を与えるでしょう。「三月危機」の再来!! これは、銀行だけの問題では済みません。全く目が離せませんね。

株価下落を防ぐ政策として、インフレ誘導がありますが、その危険性も認識すべきでしょう。実際に、経済がインフレ傾向を強めれば、借金をして土地やモノを買う企業が増えるはずで、放っておけば、インフレは急速に進行します。これに対応するために、金利を上げざるを得ないのですが、そうすると、金融機関が大量に抱え込んでいる、国債の価格が暴落してしまいますし、大きな借金を抱えて、低金利でやっと息を継いでいる企業が潰れてしまいます。不良資産を抱えている企業で助かるところがあるかもしれませんけど、多くの企業、特に銀行にはかなりの打撃になるでしょう。

一方、戦争は、倫理を度外視したとしても、資源の浪費に他なりませんから、それによって一部の人が利益を得るとしても、全体では大きな損失となるでしょう。世界の経済は、相互の協力関係によって成り立っていますから、誰もその損失から無関係ではいられないと思うのですがね。日本も、アメリカも、深刻な財政赤字を抱えているところですから、この上、戦費負担や復興援助など、したくないっ、てのが本音でしょう。

ブッシュが振り上げた拳をおとなしく下ろしてくれることはほとんど期待できませんから、現段階で予想できる唯一の平和的解決は、フセインの亡命です。

これ、フセインにとっても、それほど悪い選択ではないと思うのですがね。つまり、開戦が確定的となった段階で、フセインと主な閣僚がリビアあたりに亡命して、亡命政府を樹立するんですね。で、イラクには、臨時政府を樹立して、国連監視のもとに選挙を行なう。しかし、イラク国民の大部分はフセインを支持しているというのが本当なら、選挙で選ばれた政府はフセイン支持ということになり、フセインはイラク国民の大歓声の中で、バクダッドに凱旋するってわけです。

そんなシナリオを、フセインとその周囲では、密かに検討しているんじゃないかな。アメリカの面子は丸つぶれかもしれませんが、経済界には幸せな結果でしょうね。