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対イラク最後通告! マーケットに微妙な動きが、、、

今朝10時にブッシュはイラクに対する最後通牒をしました。午後1時には、小泉首相がこれを支持する旨の演説をしました。昨夜のNY市場は株価が急騰しています。本日の東京市場も、急騰で始まりました。

しかし、今日の東京市場、終わりに近づくにつれて値を下げ、一時2百円高を付けた日経平均も、高値から百円以上値を下げてしまいました。NYも、一旦は上がったものの、先行きを不安視する見方が出ています。

先行きが不透明なのは、投資家に不安を与えますので、それがはっきりしたということは、「買い」なんでしょう。前回の湾岸戦争の経験から、短期で戦争が終わると考えている人の多いことも、株価上昇の一因となっている様子です。また、NYの投資家の心理として、愛国心の高揚があるようにも思われます。

しかし、冷静に考えると、今回のイラク侵攻は、前回の湾岸戦争よりもはるかに困難です。前回はハイテク兵器を駆使した空爆が攻撃の中心でした。しかし、今回は、地上戦を行って、バグダッドをフセインの手から開放しなければなりません。前回は、イラク軍によるクウェート占領と言う最悪の事態から始まり、クウェートからイラク軍を追い出せば、一応の、勝利になったのと対照的ですね。

前回は攻撃が始まれば、事態は好転すると、容易に予想できました。しかし今回は、さほどひどくもない状況からスタートし、はるかに困難な戦闘が予想されています。これで、前回の湾岸戦争が参考になるのでしょうか? イラク侵攻は、事態を好転させるどころか、悪化させるだけのことではないのでしょうか。

開戦のニュースに接しての、一時の興奮状態から醒めると、人々の間に冷静な思考が戻ってきます。私には、今日の日経平均の後半での落下は、そのような心の動きの反映のように思えます。これからの数日、市場はどのように動くのでしょうか? 私は、イラクが早期に降伏しない限り、NYも東京も、株価はおそらく下がる方向ではないだろうかと予想しています。そのときになって、「しまった」と考える人が多いんじゃないかと思います。それは、文字通り、後の祭り、手遅れというものです。

人間は、どうしてもう少し、賢くなれないんでしょうかねえ。