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ある酒場の物語:補遺

昨日の日記に、少し、追加、解説をしておきますね。

まず、このお話は実際にあったこと。ただし、随分と昔の話だし、見聞きしてたのが酩酊状態の私、細かな所では、事実と異なることも多分にあるでしょう。以下の記述にも、私の想像(創造)が多分に混ざっているであろうことは最初にお断りしておきますね。

このマスターとママさん、センスの良い、善人なんですね。最初は二人で店をやって、ちょっと流行ってきたので、若いバーテンを入れる。で、バーテンをきっちり仕込んで、店をますます流行らせるわけです。

でも、小さな店ですから、従業員は二人もいれば充分。懐具合が豊かになると、人間、弱いもの、マスターが店に顔を出さない日も多くなります。ま、どこかで遊んでいたのでしょう。お酒を飲んでいたのか、もしかすると女、かな? ママさんにしてみれば、夫の行動は気になるけれど、若いバーテンと二人で店をやるのも、悪いことではない。

で、新しい女の子が入ってくると、今度は、ママさんも休み勝ち、遊び始めるんですね。まあ、そんなことが出来るのも、店が流行っているから。バーテンと新人の女の子がしっかり稼いでくれると、経営者は遊んで暮らせる。もちろん、店の忙しい頃合に、ママさんなり、マスターなりが、店に顔を出しては、客に愛想を振りまき、ついでに二人の働き振りをチェックしていたのですね。

こんな調子だと、バーテンにしろ、女の子にしろ、考えちゃうんですね。稼いでいるのは俺たちじゃないか、なんで、あいつらばかり、遊んでいるんだ、なんてね。ま、それが世の中だし、店のお金を持ち出して逃げちゃうなんてもっての外ですけど、そうするに至った背景、というか、バーテンの心の内、なんとなくわからなくもない。まあ、可愛い女の子が目の前にいる、なんてのも背景の一つではあったんでしょうけど。

そうそう、この女の子に関しては、マスターも、ママさんも、家出してきた女の子の事情に配慮して、一時的に預かろう、というのが最初の考え。まあ、そんな女の子がずるずると居つくようになった背景には、おかげで店が繁盛、なんて打算がマスターたちにあったのかもしれませんけど、最初は、バーテンにも、この子に手を出しちゃ駄目だよ、ときつく言っていたはず。

だから、バーテンと女の子の関係、もしも、マスターたちの旅行の前からだとしても、それは秘密裏に付き合っていたんじゃないかと思いますよ。それが、マスターとママさんのアメリカ旅行のおかげで、一気に表面化、あるいは、一気に関係が深まって、このままじゃあここにはいられない、逃げちゃえ、ついでに店のお金も失敬しよう、なんてことになったんじゃないでしょうかね。

ちなみに、いくら人の良いマスターたちでも、預金通帳まではバーテンに預けちゃいないはず。アメリカ旅行の間の売り上げ、店に現金で置いていたのかもしれません。どんな小さな店でも、一日の売り上げ、十万円以上はあるはずで、それが十日も経てば百万円、ちょっと頂こうかな、なんて考えたくなる額ですよねえ。

一方、この女の子は、何か辛いことがあって家出してきたんですね。で、たまたま善人の経営する酒場にめぐり合って、二度目の人生をはじめたんですが、そこで、バーテンと出来ちゃって、三度目の人生を送るはめに、、、でも、お金の持ち逃げという悪行に目をつぶれば、三度目の人生、悪いものじゃあなさそう。

だって、バーテン、手に職があるから、どこでも食っていかれる。女の子もちょっと可愛いし、酒場勤めをするといえば、どこでも歓迎されるはず。

で、小金を貯めて、小さなお店を開く。ま、これは私の想像ですけど、こんどは、この人たち、マスターとママさんになるんですね。もしかすると、そこに、家出人が転がり込んで来るかもしれません。

そういえば、別の店では、自転車日本一周に挫折した青年が転がり込んでました。こんなことって、夜の街では珍しいことじゃないんですね。ちなみに、そこはママさんの強い店。ママさんは良い男に親切だし、マスターは、若くて可愛い女性に親切、な~んてことがあったかも、、、

ま、いずれにしても、この物語の登場人物、誰もがそれほどの悪人でもなく、それぞれが人間的な弱さを持っていて、それぞれに最後は幸せになりそうな、ちょっと良いお話じゃ、ないでしょうかね。

常連さんたちにしても、ちょっと刺激的な、面白い経験だったんですね。