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意識された思考と無意識の思考

人間、一つのことを考えていると、他のことになかなか気が向きません。聖徳太子は7人の話を同時に聞いた、なんていいますけど、普通、こんなこと、出来ませんよね。人間の意識、普通のコンピュータみたいな、逐次処理装置、なんですね。いろんな仕事を同時にこなす人も、よく見ると、時間を区切って別の仕事をしている、つまり、一時に行っている仕事は一つだけ。時分割、タイムシェアリング方式なんですね。

ところが、人間の神経の働きには、並列処理が出来るものもある。食事をしながら新聞を読む、耳元に蚊の羽音がすると、ぱちんと叩く、なんてのがそうですね。

手や足や口の筋肉、意識で動く随意筋なんですけど、歩きながらアイスクリームを食べる、なんてとき、それぞれの筋肉を意識して動かしているわけではない。

意識せずになされる神経の活動は、上に書いたような単純で原始的な行為だけではありません。言葉の理解や文字の認識、意識しないのがネイティブのレベル。英会話、初心者は、いちいち意識の中で翻訳している。文法なんか考えてね。だけど、アメリカ人、イギリス人、無意識のままに、意味も文法も正しい言葉が口から出てくる。

無意識の思考は、並列処理というすごい機能を持ってますから、こいつを、意識的な思考の部分にも役立てることが出来ると、人間の知的能力、何倍にもなるんじゃないでしょうかね。

そこで、本日はその方法、というか、ヒントをご紹介しましょう。

無意識、っていうと普通は、意識できない心の働き、なんて意味なんですけど、無意識の思考、意識の中に現れる部分がある。高度な無意識の思考の意識への表れをキャッチできると、コレは役に立つ。

その表れ、感情に近いもので、次のようなものがあります。

面白い:意識的に検討するに値する情報がそこにある
楽しい:脳に情報が蓄積され、整理されている
つまらない:意識的な検討に値しない
美しい:情報に矛盾がない
変だ:情報に矛盾がある

ふむ、こいつを利用すると、面白くて楽しい、美しい物語も書けますね。読者におやっと思わせる情報、問題点の突き付けがあること、話に矛盾がないこと、(上と合わせると、落ちがあること、ですね)情報が提供され、話の進行にしたがって、整理されていくこと。

これ、ミステリーの要素でもあるんですねえ。今度は、ちょっと気にしよう。