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日本核武装論の現実的な道は、、、

北朝鮮の失敗した(?)核実験を受け、ついに日本核武装論が飛び出してきました。ま、議論の一つ、というわけなのですが。

まず、日本が核拡散防止条約から離脱して核保有の道を歩む、というのは、現実的に難しいでしょう。しかし、技術開発に止まる限りにおいて、だれもこれを否定できないはず。

つまりは、爆縮技術を、各種火薬の特性を測定したり、シミュレーションしたり、プルトニウムを使わない形での爆縮実験を行う形で開発することは、なんら問題ないはずです。

もちろんそうして得た知見は、極秘事項。厳重に管理されなければいけません。また、研究者が拉致されたりすることを防ぐためには、研究それ自体、秘密裏に行う必要があるでしょう。ただし、わが国がこれらの研究を行う権利があることは、公言しておく必要があるでしょう。予算措置もありますし、秘密保持に関する法律も必要でしょうからね。

こうした研究は、もちろんわが国が核兵器を保有する必要が生じたとき、速やかに保有することを可能にするのですが、それ以外に、北朝鮮にとって核開発がどの程度困難であるかを判定するためにも必要ですし、どのような装置が核開発に必要であるかを知るためにも、自らが実際に行ってみる必要があるでしょう。

そのほかに必要な技術は、ミサイルに関する技術でして、これは、防衛するためにも必要なら、打ち込むためにも必要でして、弾頭部を載せないものをいくつか準備しておくのも悪くはありません。まあこれは、兵器への転用も可能な科学技術ロケットということで開発すれば良いわけで、要は、宇宙開発の研究チームに、極秘任務チームを混ぜておけば良いわけです。

さて、そうしておけば、わが国の方向ははっきりします。つまり、北朝鮮が核兵器をわが国に使用した場合、米国などの適切な報復措置がとられない場合は、わが国が独自に核兵器を開発する、というわけです。

研究開発が完了し、計画立案が完了していれば、ゴーサインから核兵器の使用まで、一月もあれば充分でしょう。これは相当な抑止力になるはずです。

ま、多分、研究に着手することを公言した段階で、北朝鮮は投げてくれるのでは、と思いますが、、、


まあ、上に書きましたことは、北朝鮮が今後とも核開発を続け、中国、ロシアがこれを阻止できない場合にとられてしかるべき政策であると思いますが、現実には、国連の制裁決議が可決され、北朝鮮に対する圧力が加えられつつある段階です。ここは、事態の推移を見守るべきところで、新たな動きをこちらからする必要もないと思います。

まず、この先一番ありそうな展開は、中国もしくはロシアの提案に応じて金正日が亡命、中国もしくはロシアのコントロールする穏健な傀儡政権が北朝鮮に樹立される、というシナリオではないかと思います。この黒幕は、どちらかといえば、中国になりそうな気もしますね。

なにぶん、この核実験が失敗であって、爆縮技術に大きな問題があることが判明いたしますと、北朝鮮にとって打つ手はほとんどなくなります。更に、今回の制裁は、中国の出方次第ですが、北朝鮮に壊滅的な打撃を与える可能性も大です。

金正日にしてみれば、自分が贅沢な暮らしができればそれで良いわけですから、中国が手を差し伸べればそれに乗る可能性も大です。で、中国にしてみれば、金正日を北朝鮮の中枢から外し、穏健政権の樹立に手を貸した、と発表すれば国際社会にも顔が立つ。

もちろん、核開発は放棄し、ミサイル開発部隊は中国の部隊に合流させる。麻薬の輸出や偽札作りなどの非合法活動を取り締まる姿勢を見せれば、海外からは、賞賛こそされ、批判される理由はないのですね。

その結果、親中国政権、ないし、中国のコントロールする傀儡政権が北朝鮮にできれば、政治的には大成功。少々の援助をして、北朝鮮の鉱工業、農村の生産性を改善すれば、当面の心配事である北朝鮮難民の中国流入の恐れもなくなります。

更には、北朝鮮における中国の権益を確保し、経済力の増大した北朝鮮を韓国と一体化させることができると、半島全体への中国の影響力も確保できる、という展望も描けそうです。

このような展開となりますと、わが国にとっては、悪いことではないように思えますが、東アジアにおける中国と日本の覇権争いが朝鮮半島を巡って繰り広げられる形、となるわけで、わが国といたしましては、韓国に対する影響力の確保に努める必要があるのではないか、と思います。

いずれにいたしましても、この先の東アジアの情勢、さほど悪い方向には展開しないのではないでしょうか。この先の日本のとるべき道は、あまり感情的にならず、東アジアとの友好改善に邁進することこそ、国益にかなう道ではないか、と思うのですね。