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トランプ大統領で、世界は、日本は、どうなるか

本日開票の米国大統領選挙で、予想外の事態が発生しました。なんとあのトランプ氏が当選してしまいました。

これから1月20日のトランプ大統領の就任までは、依然としてオバマ大統領の時代が続き、トランプ氏の政策が実行に移されるまでにはまだ時間がありますが、今後の米国の政策がどのように変化するかということは、我が国にも大きな影響を与えることとなるでしょう。

この緊急事態にあたりまして、現時点で予想される今後の展開について、思うところを述べておきます。

まず、我が国の株式市場への影響ですが、すでに本日、日経平均で900円を超す大幅安となっております。ただし、本日の東京市場は、いわゆるろうばい売りも相当に入っていたものと思われ、明日は戻す可能性が高いのではなかろうか、と予想しております。シカゴの日経先物の現在の値は東京の終値に対して300円ほどの高値で取引されておりますことは、少々心強いところであります。(18時現在では、500円ほどの戻しとなっております。)

とはいえ、この先はそうそう楽観できるものでもありません。

トランプ氏は保護貿易主義的な政策を打ち出すものと思われ、ドル安円高を招く可能性は高いと思われます。

円は、一時101円台まで下げた後、現在は103円台中ごろまで戻しておりますが、12月の米国利上げの可能性も低下し、この先、円は100~105円のレンジで長期間にわたり推移する可能性が高く、輸出関連企業の株価は上がりにくい状態が続きそうです。

先ほど行われたトランプ氏の勝利演説をみた限りでは、選挙戦期間中のような過激な発言は抑制しているとの印象を受けました。おそらくトランプ氏も馬鹿ではありませんから、この先は米国大統領にふさわしい言動へと変化していくのではないでしょうか。

一つ注目されたのが、道路などへの投資に言及したこと。トランプ氏は不動産事業の専門家ですから、この先の政策で、公共投資に比重が置かれる可能性も高いのではなかろうか、との印象を抱きました。実際にどうなるかはわかりませんが、かつての田中角栄氏のように、北米大陸改造計画的な政策を打ち出してくるのであれば、これは歓迎すべきことかもしれません。

対外政策に関しては、これまでは過激な発言が目立っているのですが、現実的な外交ということを考えれば、これをそのまま打ち続けることはかなり難しく、相当にマイルドな形に変化するのではなかろうか、と予想しております。

米国のアジア政策に関しては、ロシアに接近し、中国をけん制し、日本に対してはより独立性の高い道を要求するであろうと予想され、日ロ関係を改善しようとの安倍政権の動きに対しては追い風となるかもしれません。また、我が国の防衛の主体は、米軍から自衛隊へと、比重を移さざるを得ないでしょう。これは、我が国の防衛産業にとりましてはプラスの効果を与えるかもしれません。

ヨーロッパに対しては、ヒラリー氏よりも冷淡な態度をとる可能性が高く、ヨーロッパの金融問題はより深刻化すると危惧しております。また、中国に対しても同様で、国際金融危機のリスクは増加したのではなかろうか、と考えております。ただしこれがいつ起こるか判然としないことは以前と変わらず、すぐにどうこうという問題でもありません。

と、いうわけで、ここは狼狽する必要はなく、どっしりと構えておればよいでしょう。株式投資に関しても、従来と同様の方針を継続し、大きく下げれば買い、のスタンスで臨む計画です。変化があるとすれば、多少、目標レンジを下げることくらいでしょうか。

いずれにしたところで、ヨーロッパの金融危機や中国のバブル崩壊のリスクは、米国の大統領が誰であろうとも、無視するわけにはいかなかったのですから。

というわけで、突然のことであまり纏まりのない文章となってしまいましたが、この緊急事態に臨みまして、現在の私の考えを書きました次第。私の理解には、間違いが多々あるかもしれません、このエントリーにつきましては、そういう見方もある、という程度にご理解ください。