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相場を読む:今年の回顧と来年の予想

このブログでは、例年年末に株式市場の今年一年間の回顧と来年の予想を行っております。これを今年も行ってみたいと思います。

昨年の予想

まず、昨年の予想がこちらですが、おおよその読みは以下の通りとしております。

  • 米国新大統領のトランプ氏は市場に良いメッセージを送るだろう
  • 中国、ヨーロッパの不安に加え、トランプ氏に代表されるポピュリズムの流れは危険要因
  • 日経平均は二万円を超えようが、一万円割れもあり得ると予想

本年の展開

本年は、トランプ氏の意外な高評価を受けて、日経平均は19,298円ではじまったのですが、4月に入ると値を下げ、4/17に18,224円の安値を付けております。

その後、急速に回復し、日経平均二万円付近で膠着状態となり、8月には19,000円台前半まで下げた後に急速に値を上げ、11月に入りますと23,000直下に到達したところで、再度の膠着状態となって今日に至っております。

本年は、さまざまなリスクが示現するとみておりましたが、当初心配された中国のバブル崩壊やヨーロッパの金融危機は発生しなかった代わりに、北朝鮮の核ミサイル問題が深刻化いたしました。4月の大きな下落は、この問題が大きな影を落としておりました。

来年の予想

リスクに関しては、北朝鮮をめぐる問題が引き続き最大の問題であり、高い確率で軍事衝突に至るのではないかとみております。そして、ひとたび北朝鮮で武力衝突が発生すれば、円高、株安が急速に進むこととなります。

北朝鮮の問題に関しての私の読みは、仮に武力衝突に至ったとしても、北朝鮮には長期戦に耐える戦力はなく、すぐに終結を迎えるであろうというもの。

心配されております日韓の犠牲も、人命の損失は痛ましいものではありますが、経済に大きな打撃を与えるには至らないでしょう。この予想は、本年もそうでしたし、来年も同様に考えております。さらには、終戦後の朝鮮半島復興需要は、日韓の経済にプラスの効果となる可能性が高いでしょう。

つまりは、朝鮮動乱の勃発は、それだけであれば、買いのチャンスである、ということですね。

一方、その他のリスク要因として、中国のバブル崩壊、ヨーロッパの金融危機、中東の紛争激化などは依然として無視できない状況ではあります。特に中国の問題は、北朝鮮問題の進展とも絡み、先の読み難い状況となっております。朝鮮動乱に伴う買いも、一気に買い進むのではなく、他の状況に目を配りながら少しずつ進めていかなくてはいけないでしょう。

その他の問題として、米国の株価がかなり高いゾーンにきており、そろそろ下落しても不思議はないという点に注意する必要があるでしょう。

米国、あるいは世界の株価は、およそ十年に一度の割合で大きく下げております。前回の下落は、2008年のリーマンショックでした。2018年はこれからちょうど10年後に当たります。ちなみにその前が2001年のWTCの9.11テロに伴う下落でした。

これらの下落は、単独の要因によるわけではなく、リーマンショックはサブプライム問題に伴う危機でしたし、9.11の前にはITバブルの崩壊がありました。

来年度にありそうなイベントとして、大規模金融緩和の終焉が予想されております。大規模金融緩和により、米国の株式は高いゾーンにきており、何らかのショックがありますと大きく下げることは充分に考えられます。

そのショックが、たとえば北朝鮮の問題や、中国、ヨーロッパ、中東などの問題に端を発するものであるかもしれません。いずれにせよ、何かが起これば、雪崩現象が発生して、大きく相場が崩れるリスクがあるとみております。

本年の対応と来年の心づもり

本年は、大きく上げ下げするであろうとの予想に基づき、下げれば買い、上げれば売り、との対応を計画しておりました。

この基本戦略は、まずまずの結果となり、こちらの記事に書きましたように、昨年2月の株価下落で資金の1/3を投じて買い入れたトヨタ株などを、こちらの記事にも書きましたように、本年10月にすべて売却して撤退しております。

資金の一部しか運用していないため利益は限定的ではありましたが、ローリスク・ローリターンを前提とする限りでは、まずまずの満足すべき結果であったのではないかと考えております。

来年の作戦も、本年同様、下落を捉えて段階的に資金を投入するというもの。およそのところでは、ここから1/4下落した日経平均1万5千円あたりで資金の1/3を、1/2下落した1万円強のレベルで更に1/3を、それ以下の領域で残りを投入するという作戦で臨みたいと思います。

ひとたび北朝鮮で武力衝突が発生すれば、市場がパニックに至らずとも、25%程度の下落は生じるのではなかろうかとみております。最終的にパニックに至ったとしても、その時点で大きく稼ぐ資金を残しておれば、あまり心配することもありません。下げは的確にとらえて出動する、これを間違えないようにしたいと考えております。

私の投資スタンスは、ローリスクローリターンに徹しており、あまり面白みの少ないやり方ではあるのですが、これまでのところ着実に利益を上げております。このペースを崩さず、今後も堅実な投資を続けていきたいと考えております。

ビットコイン他の仮想通貨に関して

本年の大きな話題に仮想通貨の躍進がありました。これにつきましては、私はノータッチで進める計画です。

仮想通貨は、技術としては面白いのですが、社会的な問題を種々含んでおり、各国の通貨政策と環境問題で、おそらくはどこかで発展が阻害される可能性が高いのではないか、とみております。

社会的な問題とは、次のようなものが予想されます。

  • 匿名性の高い取引が可能で、脱税や犯罪資金の移動に使われる
  • 政府・中央銀行による経済(景気)のコントロールが困難になる
  • 詐欺や不適切取引などに対する消費者保護が十分におこなえない

環境問題は、つまるところ採掘に伴う電力の問題であり、採掘コストにおける電力費の割合が高いことから、電力単価の安いところで採掘がおこなわれることになるのですが、環境規制が緩いことが電力単価が安い理由であったりいたしますと、その地域の環境悪化や地球温暖化を招いてしまいます。これは、具体的には中国で起こっている問題なのですね。

仮想通貨は、取引以外の価値をもたず、価値を保証する立場の人もいないということは、ひとたび信用を失えば大きく下げる可能性をはらんでいるということを意味します。

ただし、現時点では、仮想通過は主に投機目的で保有されており、その価値がゼロになったところで実体経済にさほど大きな悪影響を与えるものでもないと思われます。

もちろん、仮想通貨の価値が大きく下げるということは、世界の保有する資産の総量が減ることを意味し、株式市場にもマイナスの影響を与えることはたしかでしょう。でも、その程度は軽いのではないか、というのが私の予想です。

仮想通貨に関しては、保有するリスクが高い一方で、そのリスクが示現しても他に与える影響は軽微であるということで、これに対しては、ノータッチ、ということで取り進めるのが正解であるように、私には思われます。