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音喜多駿氏の9/3付けBLOGOS記事「超増税+大きな政府。『本来のリベラル』を標榜する井手英策先生の講義を受けてきた感想」へのコメント

音喜多駿氏の9/3付けBLOGOS記事「超増税+大きな政府。『本来のリベラル』を標榜する井手英策先生の講義を受けてきた感想」にコメントしました。


リベラルという言葉は、二重三重にねじくれておりますので要注意です。

まず、本来の意味は、政府の干渉を極力排除して、個人の自由にゆだねる。これがリベラルですから、小さな政府が理想的であり、税金も安くしなくてはいけない。

でもこの方向を極端に進めているのが「ネオリベ」と呼ばれる考え方で、企業利益を重視して国の政策までも捻じ曲げてしまう。これはちょっとやりすぎなのですね。

小さな政府の問題は、経済格差が拡大し、経済的困難さゆえに自由が束縛されるという問題がある。だから、累進課税や社会福祉制度、ベーシックインカムといった所得再分配制度もリベラルの思想に合致する。

でもこの制度は極力簡素なものにしないと、政府がありとあらゆるところに顔を出し、個人の自由がどこかに行ってしまいます。民主党の個別補償制度的なものはそういう意味では間違ったやり方なのですね。

まあ、公明党のごり押しで導入されてしまった消費税の軽減税率も似たようなものなのだが、、、

所得再分配制度はあくまで「所得再分配」ですから、課税と給付を組み合わせるという考え方で、所得税なら高額所得者に多く課税する累進課税制度や、多く消費する人から多くとる消費税を給付にバランスさせることが基本なのですね。

で、今日の左翼崩れの政党(自称「リベラル」)は、お金を配ることしか主張せず、これと対になる収入を無視している。その理由は単純。ポピュリズムというだけの話なのですね。

そういえば、枝野さんが何か言っておられましたね、、、


返信がついております。

花の ヤン

<で、今日の左翼崩れの政党(自称「リベラル」)は、お金を配ることしか主張せず、これと対になる収入を無視している。その理由は単純。ポピュリズムというだけの話なのですね。>

別に、歳出が歳入を超過しても困ることはインフレくらいのものでしょう。 国債を日銀に直接引受させれば、最終的にインフレ率の問題となります。

ならば、これはそれほど憂慮すべき問題なのか疑問なのですが、いかがお考えでしょうか?


瀬尾 雄三

花の ヤン さん

税率と国の借金との関係は、インフレかデフレかという問題で、所得の再分配とは別の問題なのですね。

これを絡めて議論してしまうと、問題を複雑にしてしまいます。

所得の再分配は、税率と社会福祉給付のバランスをどうとるかという問題、インフレ/デフレの問題は、通貨の信任と景気対策のトレードオフで考えなくてはいけません。

これをごっちゃにしてしまうと、ひとたび問題が発生した際に、身動きが取れなくなってしまいます。

つまり、インフレになったから福祉を切り捨てよう、などという話になるわけですね。これは、多分社会的には受け入れられない。

インフレになったから、通貨の供給を絞りましょう、というなら、普通にできることなのですが、、、


花の ヤン

瀬尾 雄三 さん

<所得の再分配は、税率と社会福祉給付のバランスをどうとるかという問題、インフレ/デフレの問題は、通貨の信任と景気対策のトレードオフで考えなくてはいけません。>

そうでしょうか。
単純に歳入と歳出の問題でしたら最終的にインフレ率の問題となりますし、社会福祉給付については歳出の割り振りに過ぎませんから、別の問題として考える必要はないと思います。

ちなみに、私が赤字財政が最終的にインフレ率の問題となると考えたのは、国債を日銀に直接引き受けさせて財政赤字を年々拡大させてもそれほど不都合はなく、赤字財政で政府支出が増えすぎた場合に需要超過からインフレ率が高くなるケースくらいしか不都合が思い当たりません。
ならば、ハイパーインフレなどのような弊害があるレベルのインフレ率になるまでは赤字財政を拡大させても問題はないのではないでしょうか。

<つまり、インフレになったから福祉を切り捨てよう、などという話になるわけですね。これは、多分社会的には受け入れられない。>

いえいえ、逆ですよ。
ハイパーインフレなどのような弊害があるレベルのインフレ率になるまでは、「財政赤字で福祉予算を増やすことができる」という発想です。


瀬尾 雄三

花の ヤン さん

> ハイパーインフレなどのような弊害があるレベルのインフレ率になるまでは、「財政赤字で福祉予算を増やすことができる」という発想<

これはまずいです。ひとたびハイパーインフレになってしまったら、もはやコントロール不能です。

インフレをコントロールするという意味は、もっと手前で行うこと。たとえば、2%の物価上昇率を目指すなら、これが2%を上回ってきたところで引き締めに転じなくてはいけません。

この時、物価が上がっているのに福祉予算は減額する、などという政策を国民が支持することは非常に考えにくいのですね。


花の ヤン

瀬尾 雄三 さん

<これはまずいです。ひとたびハイパーインフレになってしまったら、もはやコントロール不能です。>

たしかに、ハイパーインフレになれば大変なことになるでしょうが、問題はどれだけ財政赤字を増やせばハイパーインフレになるかということです。

過去のハイパーインフレから極端に供給が過少となるか、或いは極端に需要が増加するかの「供給<<需要」の状態であることが条件となることが考えられますが、現在の日本は供給力が高いためかなり需要を増やしても「供給<<需要」にはなかなか到達しないであろうと私は考えています。

たとえば、試しに財政赤字を単年度で何兆円上積みすればハイパーインフレになるのか考えてみるのも一興かと思います。

ちなみに、安定したインフレ率であれば10%のインフレ率であっても好景気を維持できると私は考えています。 つまり、安定してインフレ率10%程度を維持していれば、賃金も毎年10%づつ上昇していくというわけです。

したがって、「赤字財政が最終的にインフレ率の問題となる」であり「安定したインフレ率であれば10%のインフレ率であっても好景気を維持できる」ならば、財政赤字の許容範囲はかなり広いと考えられることになります。

<この時、物価が上がっているのに福祉予算は減額する、などという政策を国民が支持することは非常に考えにくいのですね。>

上段で説明したとおり、インフレ率がかなり高率でも許容できるわけですから、福祉予算の減額を検討する段階まで赤字財政が拡大するには相当な金額を要すると思われます。

また、そうした場合には福祉予算の減額よりも増税や配給制を先に検討すべきではないでしょうか。


瀬尾 雄三

花の ヤン さん

世の中に存在するシステムは、安定なシステムと不安定なシステムの二種類があるのですね。

たとえば、普通の振り子は、左右に振ると中心に向かう力が増加し、真下で安定するようになる。これは、変位に対して元に戻そうとする復元力が働いているからなのですね。電子回路では、負帰還のかかっている回路がこれに相当します。

一方、同じ振り子でも錘を真上に上げて微妙なバランスをとった倒立振り子の場合、左右に少しでも動かすと、変位に比例する発散力が働いて、中心からますます遠ざかるようになります。電気回路の場合、正帰還がこれにあたります。

これを中立状態に制御することは、大道芸で演じられるような、微妙なコントロールが要求されます。

で、市場に関して言えば、通常は高ければ売られ、安ければ買われるのですが、これが逆に、売りが売りを呼ぶ、または買いが買いを呼ぶ状態になる場合もある。これがバブルやパニックや、ハイパーインフレであって、こうなると安定な動きは期待できないのですね。

これに対する対応は、基本的にはバブル、パニックの始まる前に手を打ち、そういう状態にはしないことです。

バブルになってから対応しようとすると、大規模な介入が必要になり、これが功を奏した場合には、反対方向に大きく動く、バブルの崩壊が生じてしまうのですね。

これが生じること自体は多分避けられないし、これに対抗するため直ちに今度は逆に振るなどということは、我が国の通貨当局には難しいのではないかと思います。

1 thoughts on “音喜多駿氏の9/3付けBLOGOS記事「超増税+大きな政府。『本来のリベラル』を標榜する井手英策先生の講義を受けてきた感想」へのコメント

  1. mi.mino

    >>超増税+大きな政府
    北欧のあれですね。

    日本は中負担、中福祉といわれている。
    このことが、福祉を何をどこまでやるのかをあいまいにしている。
    あいまいになるから、増税も説得力がない。

    それゆえ
    >>シンプルに、「政府」はそこまで無邪気に税金を預けられるほど信頼がおけるものなのか?という点です

    という疑念がうまれる。
    ならば、解決は、政治家は福祉をいったい何をどこまでやるのかを明確にしないとこの問は堂々巡りになる。これを宙ぶらりんししていれば、いつまでたっても解決しない。

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