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為替水準適正化への見た目負け

永江一石氏の6/28付けアゴラ記事「日本は今やアジアや欧米など世界各国に対して全部負け。このままでは国が滅ぶ」へのコメントです。


我が国の製造業の大部分が海外生産になってしまったのは、民主党政権時代の過度な円高がその原因なのですね。この結果、国内の雇用が失われ、現役世代が貧しくなる、デフレが進む、インバウンドが高まる。これでよいのか、と考えなくてはいけません。

ドル円は、ジャパンアズナンバーワンといわれた1980年ごろが1ドル200-250円の水準で、1985年のプラザ合意以来、一気に150円を割り込み、100円台前半で推移するようになった。

もちろんそれまでの日本の製造業が強すぎたことは事実で、集中豪雨的輸出など、他国にとっては迷惑だったとは思いますが、100円台前半が妥当な水準であるとも思われない。その後の情報化へのキャッチアップ失敗を考えれば、200円台前半の方がまともかもしれない。

だから、現在の円安は、このようなひずみを元に戻そうという動きととらえるのが正しいのではないでしょうか。そして、製造業が日本に回帰して、海外の工場と対等に戦えるようになる、そこが妥当な為替水準ということになります。


参考までに、ドル円の長期チャートと、池田信夫氏の提示された貿易収支のグラフを再掲しておきます。貿易収支は、モノの輸出入に係る対外収支で、2011年以降、輸出優勢の黒字から輸入優勢の赤字に変化しております。所得収支は投資に伴うお金の出入りで、2011年以降、海外投資からのリターンが増加しているのが読み取れると思います。

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