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水素を作る方法は多々あります

杉山大志氏の9/15付けアゴラ記事「欧州エネルギー暴騰で肥料工場の生産が7割も激減」へのコメントです。


水素は、天然ガス以外の原料からも作ることができます。世界の肥料メーカは、おそらく、そういうパスも検討していると思います。早急に原料の切り替えがおこなわれるのではないでしょうか。

天然ガスから水素を作る反応は、まず部分酸化により、メタンを一酸化炭素と水素にし、一酸化炭素を水と反応させて炭酸ガスと水素にする。総合的な反応式は、CH4+H2O+1/2O2 → CO2+3H2 ということで、水素3分子に対して炭酸ガス1分子が副生するのですね。

天然ガスの代わりにカーボン(コークス)を使う反応では、水と反応させる水性ガス化反応により一酸化炭素と水素を得、この一酸化炭素を上と同じシフト反応で炭酸ガスと水素を得る。総合的な反応式は、C+2H2O → CO2+2H2ということで、水素2分子に対して炭酸ガス1分子が副生する。

この他に加熱用に炭素なり天然ガスを燃やす必要がありますが、いずれにせよ、天然ガスは必須ではなく、石炭から作るコークスでも水素は作ることができ、肥料の生産も継続できるのですね。天然ガス製の水素も炭酸ガスを出すわけですから、石炭製の水素が絶対だめというほどのものでもありません。

その他に、グリーン水素と呼ばれる、CO2を出さない水素もあり、自然エネルギーは、あまり頼りにならないとしても、2030年代の実用化を目指している核融合などが出てきますと、十分に電気分解で水素を製造するための電力を作ってくれる。未来は、そうそう悲観したものでもありません。

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