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G7とアンナ・カレーニナの法則

朝比奈一郎氏の5/5付けアゴラ記事「G7広島サミットを前に:グローバルサウスへの訴求という難題に如何に取り組むか」へのコメントです。


アンナ・カレーニナの法則というものがあるそうですけど、そのもととなりましたトルストイの書「アンナカレーニナ」の最初の言葉「すべての幸せな家庭は似ている。不幸な家庭は、それぞれ異なる理由で不幸である」は、国家に対しても言えるようにおもわれます。まあそれが、アンナ・カレーニナの法則なのですが。https://ja.wikipedia.org/wiki/アンナ・カレーニナの法則

グローバル・サウス諸国も、様々な問題を抱えているのですが、それらは一律ではない。「それぞれに異なる理由で不幸である」のですね。だからそれぞれが抱えている問題点を見極めて、それぞれに適切な援助を行わなくてはいけません。

インドに関しては、そこにちょっと優れたものがあるなどという理解は、本質を見失います。古代インドの思想は、世界を大きくリードしていた。ただ、教団が成立し、教団経営が重視されたがゆえに、その思想はわからないものになる。インド思想において、最大の悪事が、僧侶を殺すこと、師匠の妻を犯すことと言われると笑ってしまいます。あまりにも我田引水。ここからバラモンの厳格な身分制度になるまでには、それほどの違いはないのですね。

でもその初原的思想が中国に伝わり日本にも伝わる。中国では少々理に入れ込みすぎたのですが、日本に伝わったインド思想が転じた『禅』は、インドに脈々と残る初原的思想とともに米国に伝わり、西海岸を中心とするヒッピームーブメントや情報革命に繋がっていく。それはそれですごいことであるわけです。

インドに関してはその精神的先進性をリスペクトしなくちゃいけません。日本が今あるのは、我が国にインド思想が受け継がれているから。その一方で、困難を抱えた国々には、それぞれの国の抱える問題に応じた処方箋が必要になる。そういうことではないでしょうか。

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