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マイナ保険証こそ『大罪』だ!

五十嵐直敬氏の9/14付けアゴラ記事「迷走マイナ保険証よりICカード保険証を」へのコメントです。


そもそも、マイナ保険証はマイナンバーカード本来の目的ではなく、マイナンバーカードの普及のためにこれに保険証機能を持たせようと考えたのですね。これは、菅総理(当時)の国会答弁が雄弁に物語っております。

菅総理(当時)(2021年3月31日 衆院内閣委にて):「特に設置の際は5000億ぐらいかかっていました。そうしたお金がかかっていて、たしか10数%の利用率だったんです。国民の皆さんに申し訳ない、そういう思いの中で、何が一番早く、また国民の皆さんにお役に立てるかと考えたときが、保険証だったんです」

こういうのって、「手段を目的とする」行為そのもので、普通は褒められたものではない。何でこんなことをやったかというと、「巨額の国費をかけて行ったマイナンバーカードが普及しない」という行政の失敗を隠すためにマイナ保険証という考え方が出てきただけの話ではないですか。

『情報技術に関して無能』という日本官庁の問題点を隠すという行為は、全く褒められたものではない。無能なら無能でしょうがない。むしろそれがわかったことに、巨額の国費を費やした価値はある。問題点を明らかにすることこそ、問題解決の第一歩なのですね。

「我が国を指導する人たちが情報技術に関して無能のレベルにある」という問題こそ、我が国の経済が30年の長きにわたって停滞してしまった第一原因であることを思えば、これを気付かせてくれたことは大手柄なのであって、これを隠すなどという行為こそが大罪と言わざるを得ない。つまり、マイナ保険証こそが大罪の証だ、ということです。


返信がついております。

星光

大罪の証であろうがなんであろうが、マイナカードをデジタル保険証として使える意義があるのであればそうすべきでしょう。本来の目的ではなかったとしても、そんなことはまったくもってどうでもよい些末なことです。


瀬尾 雄三

星光さん

> マイナカードをデジタル保険証として使える意義があるのであればそうすべきでしょう。

最終的に、失敗に終わったプロジェクトの残した資産も有効活用すべきであるというのはその通りです。

でも、ここでの問題はそんなことではない。5,000憶円掛けたプロジェクトが失敗に終わったなら、まずはその失敗の原因を探り、同様の失敗が繰り返されないようにしなくてはいけない。ここで、手段に適当な目的を探し出して与え、失敗がなかったこととしてしまい、失敗の分析も反省も改善もなされなければ、同じ失敗を何度も繰り返すことになるのですね。

以前中国の高速鉄道が事故を起こした時、大きな穴を掘って事故車両を埋める、などという話が伝わっておりました。事故を起こした車両は、本来、事故原因を解析して事故を繰り返さないための、貴重な材料なのですね。同じことを我が国の官庁もやっている。こんなやり方をしていて、我が国が情報技術を使いこなせると考えたら、どうかしております。

先進国で大きな事故が発生した場合は、専門知識を持つ人たちを集めて事故調査委員会を立ち上げ、原因の分析と再発防止策を講じる。そうしているからこそ、航空機のような高度な技術も安全に運用することができる。さて、我が国の官庁は先進国の官庁としてふさわしい対応をしているのか。この点も問われているのではないですか?


星光

まだ失敗に終わったわけではないでしょう。確定申告では便利に使わせてもらっていますよ。

反省、改善していくことは当然のこととして、ならば別途保険証のデジタルカードを作成配布し、マイナカードは制度設計からやり直すべきかというと大いに疑問です。

高所大所からのご高説、ご批判も結構ですが、記事内容に即したご提言をお聞かせ願えればと思います。


瀬尾 雄三

星光さん

> 反省、改善していくことは当然のこととして、ならば別途保険証のデジタルカードを作成配布し、マイナカードは制度設計からやり直すべきかというと大いに疑問です。

反省、改善をきちんとする前に、マイナ保険証の宣伝などしちゃいかん、ということですね。

それは、事故を起こした高速鉄道車両を、大きな穴に埋めるような行為だということです。現在進行中の事件にたとえれば、ジャニーズのタレントを使い続けるのと同じだ、と言えばわかりやすいかな?

なにぶん、マイナ保険証の正体は、最初に掲げた菅総理の言葉が明瞭に物語っているわけですから。そして、この精神こそが、我が国の発展を30年以上の長きにわたって阻害し続けていることを忘れちゃいけません。

> 菅総理(当時)(2021年3月31日 衆院内閣委にて):「特に設置の際は5000億ぐらいかかっていました。そうしたお金がかかっていて、たしか10数%の利用率だったんです。国民の皆さんに申し訳ない、そういう思いの中で、何が一番早く、また国民の皆さんにお役に立てるかと考えたときが、保険証だったんです」


星光

マイナカードをゼロから作り直せとおっしゃってるのでしょうか?具体的なプランをお持ちなら、それを提示されるべきかと。マイナカードにそれほど大きな瑕疵があったとも思えません。問題があったとしても今後の運用次第でなんとかなるようなものなのでは?

スガ元総理の言葉にこだわっておられるようですが、どうにもピントハズレの批判であるようにしか見えません。手段が目的化しているからけしからんとおっしゃいますが、デジタル化推進という大きな目的のための手段がマイナカードなのですから、保険証として使うこともデジタル化という目的に合致しておりなんの問題もないどころか、推奨されてしかるべきことでしょう。

また、中共政府が鉄道車両を埋めたこととはまったく共通点が見当たりません。マイナカードをさっさとなかったことにして埋没させてしまったというのならともかく、どんどん使おうとしてるわけですから。


瀬尾 雄三

星光さん

> マイナカードをゼロから作り直せとおっしゃってるのでしょうか?具体的なプランをお持ちなら、それを提示されるべきかと。

具体的プランは簡単です。5000億円かけたマイナカードの利用率が10数%で国民に申し訳ないと思うなら、その原因を分析して、再発防止策をまず立案しなくてはいけない。失敗したプロジェクトが残した遊休資産の有効活用を考えるのは、その次です。

まず注目すべき点は、デジタルシステムの構築が当初の思惑通り進まなかったという歴然たる事実であって、これが大問題であると認識しなくてはいけません。その問題を放置すれば、おなじ失敗を繰り返す。

この経緯を見れば、官僚にとって重要なのは、失敗を糊塗することであるようにしか見えない。マイナ保険証にして強制的にカードを持たせれば、そりゃ100%の利用率にもなろうというものです。

でも、我が国が情報技術を使いこなせないという問題はそのまま残る。マイナ保健証の普及後、この失敗の分析がおこなわれると思われますか? まあ、絶対に無い、というか、これを回避するためにこそ、マイナ保険証はあった、というのが正しいと思いますよ。


星光

> マイナ保険証にして強制的にカードを持たせれば、そりゃ100%の利用率にもなろうというものです。

それで結構じゃないですか。最初からそうすべきだったんですが、この記事のような強硬な反対論が湧いてくるので、難しかったのでしょう。そういう反対勢力に加担することに正義はありません。

「反省せよ」、「改善せよ」と批判するだけなら猿でもできます。問題の原因や改善点を具体的に指摘できないようでは、単なるイチャモンに過ぎません。


瀬尾 雄三

星光さん

> 問題の原因や改善点を具体的に指摘できないようでは、単なるイチャモンに過ぎません。

失敗を直視せずに誤魔化すことが問題なのですね。これは、事故を起こした高速鉄道車両を穴を掘って埋めるのと同じ行為です。この場合も、事故原因を指摘しなくちゃいけないのでしょうか?

マイナカードの失敗を糊塗する原因は、官僚の無謬主義にあるであろうことは容易に推察できます。あるいは、減点主義が問題なのでしょう。そして改善点は、問題が発生した場合、その原因を徹底的に究明して、再発防止策を講じること。航空機事故に際して一般的な手法なのですね。

そして恐らくはその解は、山田肇氏の8/29付けアゴラ記事にありました「詳しく理解できていない総理大臣・大臣等と次官・局長等で対策を決めていくことが間違いである。一番わかっている人が、課長補佐でも構わないので、官邸と議論して決めるべきだ」でしょう。きちんとした再発防止策を講じれば、おそらくそのような形に収束するのではないかと思います。

1992年に出版された、ハマーとチャンピ―の著「リエンジニアリング革命: 企業を根本から変える業務革新」という書物があります。これを読めばわかるように、マイナンバーカードのような情報システムを導入する際にしなくちゃいけないことは、既に常識と化している。先ずは業務プロセスを分析しなくちゃいけない。これから最適な手法を構築していくことです。これは、「手段のためには目的を選ばない」手法とは180°異なるアプローチ。後者は、ほとんど漫才をやっているようなものです。


星光

まるで老人の繰り言のように、同じ発言を繰り返される姿は見るに忍びません。

それとも、私のツッコミに対してまったく同じボケを繰り返す漫才のようなやりとりを狙っておられるのでしょうかね?あまり笑えません。


瀬尾 雄三

星光さん

> 私のツッコミに対してまったく同じボケを繰り返す漫才のようなやりとりを狙っておられるのでしょうかね?あまり笑えません。

事態は確かに漫才的です。

「マイナカードの普及率が低かったから、それでは保険証にしましょう」という展開は、「物置を造ろうとしたけど小さくなってしまったので、犬小屋にしましょう」という話と同じパターンなのですね。

こういうやり方は、趣味の日曜大工なら、微笑ましい話になるのでしょうけど、プロの仕事としては許されない。

まあ、「我が国の官僚のレベルがこの程度だから、これは許される」と考えるのはアリかもしれない。「はじめてのおつかい」、みたいな話だと言われたら、理解できないことはありません。

1 thoughts on “マイナ保険証こそ『大罪』だ!

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