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日本のコロナ対策の優秀さ

池田信夫氏の8/10付けアゴラ記事「なぜ『42万人死ぬ』はずが900人になったのか」へのコメントです。


日本の特異性に、マスク着用率の高さがありました。特に、2020年の3月以前には、欧米ではマスクに効果はないと考えられていたのに対し、日本人のマスク着用率は100%近くだったのですね。そんな中でアベノマスクの配布が始まった。

アベノマスク配布と時を同じくして、マスクに効果ありとのレポートがMITなどから出された。ウイルスのサイズは1μ以下でマスクの目を通過すると思われていたのだけど、はるかに大きい唾液のミストに含まれて空気中を漂う。さらにその飛散距離も10mなどといったオーダーであることがわかった。これで、世界中がマスク着用を推奨したわけです。

とはいえ、マスクの効果は100%ではない。ザックリ、他人に感染させる率を半減し、他人から移される率も半減する、といったところでしょうか。でも、マスク着用率が100%なら、人から人への感染確率は1/4になる。基本再生産数(対策をしないとき、一人の患者が感染させる人数)が2.5なら、それが0.6程度まで減少し、1未満となればパンデミックは発生しない。

結局のところ、この差が当初の感染規模の日欧の差ということになるのでしょう。でもその分、免疫を持つ人が日本では少なく、第8波では大きな感染規模となっている。多分第9波もそうなるのではないかと思います。現在は、第8波の1/2の規模を超えて引き続き上昇中です。

(8/14追記:本日発表の1医療機関あたり患者数の7/31~8/6のデータは、15.81人と、先週の15.91人からわずかに低下しております。これが一時的な停滞である可能性もありますが、もしかすると、第9波は第8波の1/2程度の規模で頭打ちとなるかもしれません。)

これを見て、やっぱり効果はないではないか、などと言ってはいけません。これが当初の狙いだったのですね。つまり、感染のピークを後に遅らせることにより、ワクチン接種を進め、治療薬の開発を進める。日本はおよそ、当初の狙いがぴたり的中して、大きな混乱もなく、犠牲も最小限に抑えられたのではないでしょうか。

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