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共産党を絶好調にした経済危機

加藤成一氏の8/19付けアゴラ記事「単独では政権をとれぬ日本共産党の最大の弱点」へのコメントです。


それどころか、日本共産党の党勢は近年著しく退潮した。党員数、赤旗購読者数、地方議員数、国会議員数は最盛期の1970年~1980年代に比べ半分以下となっている。その原因については識者により様々な分析があるが、最大の原因は、労働者階級の生活水準の向上にあると筆者は分析している。

この分析はおおむね正しいと思われます。近年の共産党の退潮は、一様に下がっているわけでもない。一時的に盛り返した時期もあったのですね。それは、2009年、蟹工船ブームの頃でした。リーマンショックに端を発した経済的落ち込みが我が国を覆い、派遣切りがあちこちで行われ、年越し屋台村などがつくられた時。共産党の支持率も回復した。

ご同慶の至りではあるけど、その再現など狙われたら、日本は不幸になってしまう。一部に、共産党にシンパシーを寄せる進歩的文化人の方々は、日本経済を混乱させ、蟹工船ブームの再来を願っているのではないかと思われるような言動を、意識してか無意識の内にかしているように思えるのですが、これはとんでもないことだと思います。

アノミーという用語は社会的混乱を意味することもありますが、デュルケム的には社会的に生じる破局願望を意味し、リースマンの「孤独な群衆」では、社会不適応型の人間を指しております。このような人たちには、共産党は支持されやすい。つまりそれが、社会の破局を狙うような言動をすれば、ということです。

共産党が支持率を高めるのは、社会が破局的状況を迎えた時だと思いますが、その前提である、経済的破綻(蟹工船ブームのような)や破局願望を高めるような社会的軋轢を生まないのが一番。これは、対共産党政策というよりは、国民の福祉を願えば当然に実行すべきことだと思いますよ。

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