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間違うと大変!適正な為替水準

アゴラ編集部の4/11付けアゴラ記事「ドル円ついに153円台に:円安とまらず34年ぶりの水準」へのコメントです。


為替介入はいつなされてもおかしくないですが」という点ですが、問題は、何を狙って為替介入するか、という点です。為替の乱高下は、国際取引のリスクを高めますから、これを抑制することは問題ないのですが、ドル円のレベルを操作しようとなりますと、いろいろな意味で問題が生じる。

評論家諸氏が期待しているのは、昨今の「円安」以前の水準である1ドル100~120円レベルに戻すことではないかと思います。「円安」による物価高を元に戻せという趣旨なら、そうするしかないのですね。

ところが、過去に生じた通貨危機の多くは、人為的な自国通貨高政策がそのもとにありました。タイを震源とする1997年のアジア通貨危機は、それまでバーツとドルの交換比率を一定としていたドルペッグ制が維持しきれなくなったことが原因でしたし、1992年のポンド危機もポンドの防衛に失敗したが故でした。2001のアルゼンチンの経済危機も、無理なペソ高を固定せんとしたドル兌換法がその背景にありました。

つまり、我が国が人為的にドル円比率を維持しようとした場合、これが我が国の経済・産業の実力から乖離しておりますと、投機筋のターゲットとなり、いずれは破綻する恐れが多分にあるということ。適正なレベルがどこにあるかをまず見極めなくてはいけません。

で、そのレベルは、失われた30年のレベルである100~120円/ドルということは考えにくく、かといってプラザ合意以前の200~250円/ドルということも考えにくい。後者は集中豪雨的輸出などということをやっていたのですね。おそらくは、適正レベルは、プラザ合意時点で語られていた165円/ドル付近、ないしはこれより多少円安ドル高のレベルではないかと思います。まあ、ザックリ150~200円/ドルといったところでしょうか。さて、いかがなりますか、ちょっぴり楽しみではあります。

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