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問題が起これば技術は進歩する

杉山大志氏の7/3付けアゴラ記事「EVには莫大な鉱物資源が必要になる」へのコメントです。


リチウム電池に使われるレアメタルとして、大別して、コバルト、ニッケルなどの遷移金属と、リチウムの二つがあるのですが、前者に関しては、Table13の右側にありますように、鉄への置き換えができることがわかっています。

リチウムにつきましては、ナトリウムへの置き換えが検討されているほか、海水中のリチウムを回収する可能性も検討されています。海水中のリチウムは、地上のリチウム資源を上回る埋蔵量なのですが、濃度が低いため、大量の海水をくみ上げる必要があり、そのコストがバカにならない。

これに関しては、発電所の冷却水などの海水くみ上げを利用する方法も検討されていますが、海水淡水化で固形分が濃縮された「ブライン」と呼ばれる排水を利用する手もあります。これ、くみ上げられ、濃縮されているほかに、膜を傷めることを防止するため、フィルタリングなどの処理がおこなわれていることも有利な点です。

問題が明らかになれば対策もとられる。何事も、多に先んじて検討するのが技術の世界で成功するカギとなります。トヨタなどは、遅れているとのイメージであったのですが、ここにきて、かなり先行していることも明らかになり、見直されているようなところもあります。日本の産業も、そうそう馬鹿にしたものでもありません。

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