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「非科学的西浦批判」の一例

小島勢二氏の12/19付けアゴラ記事「感染者数6,330万人、死亡者数36万人!西浦論文への疑問」へのコメントです。


表2はなかなか面白いですね。でもコロナの死者が高齢者に偏っていることを考えますと、超過死亡者数を高齢比率で割り返さないと、正しい評価はできません。

そこで、「グローバルノート - 国際統計・国別統計専門サイト」から、ワクチン接種比率の高低ベスト3の高齢化比率を見ますと、低い側がカメルーン:2.67、チャド:2.01、コンゴ民主共和国:2.92である一方、高い側が日本:29.92、韓国:17.49、ベトナム:9.12と、綺麗に一桁異なっているのですね。

で、超過死亡者数を高齢比率で割り返しますと、ワクチン接種の低いカメルーン:34.6、チャド:60.7、コンゴ民主共和国:25.3となる一方、ワクチン接種率の高い側は、日本:0.77、韓国:0.74、ベトナム:9.76となりますから、その違いは明白です。

以上の結論は、このエントリーの誤りを示すものであって、充分に科学的であるとは言えないものであることはお断りしておかなければいけません。でも、統計データから何かを語ろうとする際には、結果に影響を与えそうなあらゆる項目を同時にチェックしなければいけない。これはこの手の統計データを扱う際に常識なのですね。

この一点をもって西浦氏が正しいとは言い切れませんけど、彼に対する非難の中には、全く科学的根拠を欠くものも含まれていると考えることは、大いにできそうです。そういう意味で、このエントリーも貴重なものであると言えるでしょう。

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