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文春オンライン(加谷 珪一氏)の3/4付けBLOGOS記事「平均賃金は韓国以下…『貧しい国』になった日本が生き残るための“新常識”…」へのコメント

文春オンライン(加谷 珪一氏)の3/4付けBLOGOS記事「平均賃金は韓国以下…『貧しい国』になった日本が生き残るための“新常識”…」にコメントしました。


日本人の給与水準が低いのは、生産性が低いからで、生産性の低い人たちの給与が下がることには、何の不思議もない話なのですね。だから、これを改善しようと考えるなら、日本人の、特にホワイトカラーの生産性を高めなくてはいけません。

具体的には、まず、情報技術の高度な活用が必要なのですが、現在の企業にしても官庁にしても、特にこれを指導する立場の人間にこれができない。結局のところ、人材の流動化と、実力主義、成果主義の人事が必要だし、能力・成果をきちんと評価できる体制を作らなくてはいけない。

官庁の情報化なら、まずはやらせて、ダメな人を切るという形で何とかできるかもしれませんし、民間の情報化なら競争を激化させればよいのですね。国内企業で十分に競争ができない場合は、海外企業に好きなようにやらせるもの一手。そういった危機感がなければ、我が国の企業はなかなか動かないもの。そして、かりに海外企業に負けたところで、それが国内に立地してくれるなら、我が国の雇用にもなるし、日本に税金を納めることにもなるわけで、輸入品に負けることに比べれば何倍もよいのですね。

ビッグサイトで新エネルギー関連の展示会がおこなわれていますけど、太陽光発電にせよ、風力発電にせよ、我が国は諸外国に遅れをとっている。これは、最初から遅れていたのではなく、太陽電池の研究など、我が国は先端を走っていた時代もあったのですね。ところが電力会社がこれを嫌った。原発に競合するとの懸念もあり、原子力を推進していた政府もあまり力を入れない。こういうことをやるから、我が国は一つずつ力を削がれていくのですね。

これからは、新しい可能性へのチャレンジをもっと積極的に進めなくてはいけません。禁止することを禁止し、抑制することを抑制しなくちゃいけない。学術会議も解散して、軍事研究もできるようにしなくちゃいけない、と、どさくさ紛れに言っておこう。


ほかの方のコメントに返信しました。

山下克也

つまり海外企業の株を買えってことですか?

日本が発展しないのは、派遣労働者によって賃金を下げたからだと言う。 しかし、中国が「世界の工場」化してるのは、内陸部に低賃金地帯を抱えているからじゃなかったのか?

欧米はそのために移民を入れている。日本は、その代わりに派遣にしたのだろうが、それで失業は少ないし、格差も少ないはずだろう。

株のコンサルなら加谷氏のやり方で良いのだろうが、国全体の発展のための助言にはなっていないね。日本の生き残る道じゃなくて、株屋の生き残り方を提案してるんだよね。 ではないというなら、企業が進出するべき新分野と、それを促進する政治の在り方を提案してもらいたい。

瀬尾 雄三

> 日本が発展しないのは、派遣労働者によって賃金を下げたからだと言う。しかし、中国が「世界の工場」化してるのは、内陸部に低賃金地帯を抱えているからじゃなかったのか? 欧米はそのために移民を入れている。日本は、その代わりに派遣にしたのだろうが、それで失業は少ないし、格差も少ないはずだろう。

我が国の生産性が低いという問題に対して、派遣労働を認めることは一つの解なのですね。つまり、賃金を下げること、首切りを容易にすることで、生み出す価値の低さをカバーする。

ところが、生み出す価値は低いけれど賃金の高い正社員はそのままホールドしてしまった。だから、肝心な部分の生産性の低さはそのままで、たいしてコストが低下するわけでもないのですね。我が国お得意の、問題先送りが、ここにもありました。

大きな価値を生み出す高度な業務を、賃金レベルの高い正社員が遂行し、その他は流動性の高い派遣社員が遂行する、これがあるべき姿なのですが、高度な業務を遂行する能力がない正社員が多い。これが我が国の抱えている問題なのですね。これに気付けば解決策は見えてきます。

つまり、この問題を解決するには、必要な能力に欠ける正社員を切り、必要な能力を持つ人材を外部から導入すればよい。外部とは、年齢や国籍に関係なく、能力のみを判断基準として必要なポストに中途入社の正社員をあてればよいのですね。その能力を判定できる人が社内にいないなら、外部の機関に委嘱することになるのでしょう。お金はかかるでしょうけど、その手のコンサルティング会社なり、あるいは人材派遣会社がその手のサービスもやるのではないでしょうか。あとは、雇用慣行を変えるだけOKです。


山下克也

瀬尾 雄三 さん

「高度な業務を遂行する能力がない正社員が多い。

 ・・・高度の能力のある人材はたくさん必要ない。部門のトップだけでいいでしょう。異能の才能がたくさんいれば喧嘩になるだけ。後は、彼に従うその他大勢の「和」がいればよい。

 問題は、トップが和を重んじて、異能の人材に活躍の場を与えないことじゃないかな。半沢直樹のドラマでもトップの社長は和を重視していた。


Isao Matsumoto

ミクロとしては瀬尾さんのやり方で良いんだけど、マクロを考えると最適解ではない。欧米も成長の限界を迎えており(だからこそトランプが出てきた)単に後追いするだけでは意味がない。

とにかく社会全体で需要を増やさないとダメ。

一握りの特権階級は思ったより需要を産み出さず、その方向では資本主義の死滅に至る。戦略方針として大衆を豊かにさせない限り、どの企業も生き残れない。


瀬尾 雄三

Isao Matsumoto さん

> 社会全体で需要を増やさないとダメ

地球全体の需要に対応すればいいのですね。少なくとも、GAFAはそれでやっている。かつては、日本の自動車会社や電機会社も、世界を相手に稼いできたのですね。

立って半畳、寝て一畳、天下取っても二合半。最後の二合半は、たぶんお酒ではなくて、お米の飯だと思いますが、要は、いくら稼いでも国内の需要は限られている。世界を相手に商売し、世界をコントロールすることを考えなくてはいけません。


瀬尾 雄三

山下克也 さん

> 高度の能力のある人材はたくさん必要ない。部門のトップだけでいいでしょう。

そんなことはないですよ。優れた企業には、優れたものを生み出す有能なチームがいくつか存在する。こういうチームが核となって、新しい製品やビジネスを生み出していくのですね。これは、企画部門や研究所に限らず、工場にだってそういう人たちがいる。旋盤工だって、優秀な奴とそうでない奴は、全然違う。こういう優れた人たちをうまく動かし、育てることで、強い会社を作っていくわけです。

Googleのプログラマが極めて優秀な人たちであることはよく知られた話です(今はひょっとして違うかもしれませんけど。)その代わり、桁外れた給与を得ていたのですね。日本の会社も、そういうチームをいくつも持つようにしなくてはいけない。あるいは、フロントエンドに優秀なチームを並べて、バックエンドの普通の人たちがフロントエンドの成果をお金にすることを考えるのもよい。

昔、日本のサッカーチームの関係者が、当時サッカーが強かったドイツまで行って、サッカーチームの監督に強いチームを作る秘訣を聞いたことがあったのですね。彼は不思議そうにこう答えたそうです。「強いチームを作る秘訣? そりゃ、選手一人一人を強くすることだ。強い選手がそろっているチームは、すなわち強い」。こんなこと、何もドイツまで聞きに行くまでもない、あたり前の話ですね。企業だって、同じようにすればよいだけの話です。


返信がついております。

Isao Matsumoto

同意します。

戦後復興期と違って見違えるような集中力の欠如ですね。 あっちこっちでちぐはぐなことをやってる。

洋上風力も家電同様、現在は全滅状態で海外のを輸入するそうです。(昔はたくさん日立製の風車が立ってましたが)

これは政治権力の強力なリーダーシップの欠如が原因と考えられます。 誤解を恐れずに言えば、現在の状況は独裁制を要求しています。

独裁的な「決められる政治」が必要。

まあ、民主主義でもできるはずなんですが・・・


坪根 崇典

個人的には生産性の問題は、仕事や商品を評価しない安いことが必須条件の国民性と、お客様は神様と言うか売り手の立場が低く値上げが出来ない環境にあると思うのですがね。 海外では、仕事の質が絶望的に低くても、ほったらかしで休んで納期が遅れようが、平気で請求してきますからね。

トヨタとかも現代自動車の労組を見習えば、生産台数は一気に減りますが生産性とやらは一気に上がりますよ?

いくら働いても、金を請求出来なきゃ生産性なんて、働けば働くほど下がるんですよ。 真面目に技術革新で労働生産性向上とかやってるから、生産性はどんどん下がるばかり。

皆さん、生産性の定義を勘違いしていやしませんか?


瀬尾 雄三

坪根 崇典 さん

生産性に関しては、日本生産性本部のまとめた資料がありますが、これをみますと暗澹たる感想を受けるのではないでしょうか。(URL:https://www.jpc-net.jp/research/list/pdf/comparison_2019.pdf

一般的な部門で生産性を上げる簡単な手段は、少し前に流行ったのですが(そして現在でも有用なのですが)ビジネス・プロセス・リエンジニアリングを使えばよい。これは業務プロセスのフローを分析して、主に情報機器を活用して、生産性を格段に高める手法なのですね。

でも、これが有効に機能するのは、販売や事務処理などの定型業務が中心で、研究開発、新製品の企画、新規分野への進出検討などには使えない。こういうことをするには、創造的な人材を集めた強力なチームが必要になります。

後者は、理屈ではなくて「いわゆる一つの動物的な勘(by永世監督)」のようなものが必要になります。岩波新書にあります石井淳蔵著「ビジネス・インサイト―創造の知とは何か」あたりを読んでいただけばわかるかもしれませんが、この世界は一筋縄ではいきません。

1 thoughts on “文春オンライン(加谷 珪一氏)の3/4付けBLOGOS記事「平均賃金は韓国以下…『貧しい国』になった日本が生き残るための“新常識”…」へのコメント

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