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むなしい数字

成績だとか、身長・体重などの個人的な指標も、あるいは企業の売り上げや利益など、みんなまちまちな数字になっています。実に、世の中の大抵のものは分布をしています。

この分布、正規分布とかガウス分布と呼ばれる、釣鐘型の曲線になりやすい。何でそうなるかというと、中心極限定理というものがありまして、どんな分布を持つものであれ、それを足し合わせた値の分布は、正規分布になる、という法則があるのですね。

例えば成績、いくつかの科目の成績の合計だし、科目の成績は何回かのテストの得点の合計、テストの得点は、いくつもある設問での得点の合計なんですね。身長や体重も、人体を構成するさまざまなパーツの、長さなり、重さなりの合計なんですね。

釣鐘型をした正規分布の横方向の大きさ、標準偏差といいまして、それぞれの値の平均からの距離の自乗を平均したものの平方根。まあ、ばらつきがどれほど大きいか、ということを示す値が標準偏差です。

で、平均値をμ、標準偏差をσと書きますと、平均に近い人の割合は、μ±σには68.27%、μ±2σには95.45%、μ±3σには99.73%がふくまれる、ってわけです。そんなことよりも、半分の人が含まれる幅を知りたいと思いませんか? これ、実は、μ±0.6741σでありまして、0.6741、「むなしい数字」と覚えておくのですねえ。まあ、半分の中に入って満足する、なんともむなしい話、なんて感じませんか?