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金融政策も、小鮮を烹るが如く

アゴラ編集部の4/27付けアゴラ記事「ドル円158円に:高い緊張感を持って注視してていいの?」へのコメントです。


老子曰く「大国を治むるは小鮮を烹るがごとくす」ですね。日銀の金融政策も、まさにそうしなくちゃいけません。

そもそも通貨の交換レートは、各国の経済力に応じて自然に決まるものであり、通貨当局がこれをコントロールする必要は、原理的にはないのですね。

ところが、市場には無数の投機筋が参入しており、彼らの思惑で上下する。交換レートがあまり急激に変動すると、国際間取引に支障をきたすため、急激な動きにブレーキを掛ける、これは有意義な行為であるわけです。

ここで大事なことは、通貨当局がコントロールする目標は、「当局者が期待する水準」であってはならず、「経済力に応じた妥当なレベル」でなくてはいけないということ。政治的な思惑で経済力から外れた水準に目標が設定されると、貿易のバランスが崩れ、あるいは、投機筋に狙われて経済危機を招いてしまう。

このエントリーが触れているポンド危機は、衰退する英国経済の実力以上のポンドの価値を保とうとした英国政府が投機筋に敗れたためだし、ポピュリスト政権が無理な自国通貨高を維持しようとした結果の経済危機が、タイやアルゼンチンで生じています。我が国は、このような事態だけは絶対に避けなくてはいけない。これだけは、忘れてはいけません。

1 thoughts on “金融政策も、小鮮を烹るが如く

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