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日本人の報酬が伸びない原因は

小川製作所の12/3付けアゴラ記事「工業の平均時給:比較的高い日本の水準」へのコメントです。


図2と図3は、よく見てみればなかなか面白いですね。第一に、1990年代の日本の工業雇用者報酬は、ドルベースでは高い水準なのだけど、購買力平価でみると最低レベルなのですね。つまりこの時代、円は過大評価されていたということ。これは、1985年のプラザ合意以降の円高が、行き過ぎたものであったことを意味します。

似たようなことは、2010年から2012年の民主党政権時代にも生じていて、ドルベースでは日本の工業雇用者報酬がほぼ1.5倍に上昇するのですが、購買力平価では変わらない。ここも、円の過大評価が生じたと思われます。

円の過大評価は、ドルベースで見れば日本がハイパーインフレになったようなもので、海外から見た日本のコストが上昇する。輸出産業には大きなダメージを与えます。この結果、日本の製造業は海外に逃避する。稼げる工業雇用者が減ってしまい、その結果、日本人の平均給与は上がらないことになります。

ではどうすれば良いかということも、およそこれらのグラフからみえてまいります。まずは、1990年代の円の過大評価を訂正すること。100-120円/ドルのレベルは高すぎるということでしょう。

また、1994年以降の日本の報酬が伸びないことは、我が国の工業生産性が低いことを意味します。これは、情報革命の取り込みに失敗しているということ。またその原因でもあり結果でもある生産性の悪さ、更にはその一因であるわが国固有の雇用制度に問題があるということでしょう。これらの問題に対しては、いくらでも対処のしようがあると、私などは、思ってしまうのですが。

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