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生産性に見合って賃金は決まる

アゴラ編集部の1/14付けアゴラ記事「実質賃金が20か月連続でマイナス:賃金はインフレに負け続けるのか?」へのコメントです。


賃金は国内の生産、つまりはGDPに対応しているのに対して、株価は企業利益に対応している。企業利益は、国外であげた利益も含まれているのですね。

この30年間、我が国のGDPは、ほとんど増えていない。これは、1985年以来の円高の結果、円高不況もありましたけど、円高に対応して企業が生産拠点を海外に移動したという要因も大きいのですね。特に民主党政権当時の極端な円高で、この空洞化は一気に進んだ。

生産拠点の海外移転は、円高や貿易摩擦もありましたが、人件費低下の効果も大きく、企業利益は増大する。株価が上がるのもあたり前といえばあたりまえです。これに対応するには、円安にシフトさせるか、我が国の人件費を、生産性に応じて、下げるしかない。

もう一つの問題は、我が国の情報革命が不十分で、生産性が低いという問題がある。こちらは、事務職にある人たちが適切な知識技能を身に着けるしかないし、それが無理な人を責任あるポジションに付けてはいけない。

今日の実質賃金低下という問題の元にあるのは、1985年の急速な円高の結果、実力以上の(ドル建て)賃金レベルになってしまったという問題なのですね。元々が高すぎたのだから、下がってあたり前。そうしたくなければ、賃金に見合う生産性にするしかない。簡単な話です。生み出す価値を上回る賃金は、日本を破滅に導いてしまいます。

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