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相場を読む:今年の回顧と来年の予想

このブログでは、例年年末に株式市場の今年一年間の回顧と来年の予想を行っております。これを今年も行ってみたいと思います。

昨年の本年予想

まず昨年の同時期に行いました予想は、前年から引き続き、難しい展開が続くというものです。

この大きな問題は、米中の対立と韓国の動きであり、韓国の北朝鮮への接近と、これをきっかけとする半島での武力衝突の可能性が最も危惧されておりました。

昨年末の時点での日経平均株価は2万円前後を付けており、さほど悪くはない水準でしたし、米国の株価はかなりの高値水準にありました。ここは危ない真似はできないと、大部分の資金をキャッシュポジションに移して、じっとこらえる作戦を採用した次第です。

本年の結果

半島情勢に関しては、本年は、日韓関係の悪化が注目された年でした。

元々は、昨年の韓国徴用工判決と自衛隊哨戒機に対する韓国駆逐艦による照準レーダ照射などで日韓関係は冷え切っておりましたが、我が国から韓国に輸出しているハイテク製品の管理不十分によるホワイト国外しと、これに反発した韓国のGSOMIA破棄の発表で、さらに関係が悪化しておりました。

GSOMIAにつきましては、米国からの圧力もあり、本年11月22日(いい夫婦の日)にGSOMIAの条件付き(?)延長を発表しております。

米韓関係につきましては、韓国のGSOMIA破棄に相当な嫌悪感を示した米国ですが、在韓米軍の費用負担をめぐり、いまだぎくしゃくした関係が続いています。

一方の問題として、この一年を通して比較的安定しておりました米国と北朝鮮の関係に対し、年末が一応の期限でありましたことから、金正恩が何らかの新たな動きをするのではないかとみられており、こちらも引き続き、先行きの不透明感を醸し出しております。

来年の見通しと作戦

さて、問題は来年なのですが、朝鮮半島をめぐる不安定な状況は引き続き大きなリスク要因として存在します。

北朝鮮の核ミサイル放棄がない以上、米国に制裁緩和に踏み切るという選択肢はなく、北朝鮮は核ミサイルを、まず、放棄することはあり得ないと思われます。つまりこの二国間で妥協の成立する余地は極めて小さいのですね。

また、韓国文大統領は、半島の統合を目指し、中国との関係強化にも踏み切る可能性があります。しかしながら、金正恩支配下での半島統合はあり得ず、金正恩が自主的に引退する可能性もほとんどないことから、何らかの武力行使に至る可能性もかなり高いものと思われます。

それやこれやを考えますと、この地で武力衝突が発生する可能性は相当に高く、北朝鮮がミサイル攻撃を決断する可能性も否定しきれないのですね。

これにより我が国が被害を受ける可能性は、かなり低いものとは思われますが、ひとたび戦乱が勃発すれば、まず間違いなく株式市場は暴落ということになるはずです。

おそらくは、この暴落の過程で底値を拾うことができれば、相当な利益を上げることができるのでしょうが、この展開はなかなか読みづらく、これに賭けるとしてもごく一部の資金にとどめておく必要はあるかと思います。

いずれにいたしましても、大暴落のリスクが無視できない以上、ここはしばらく、キャッシュポジション主力というこれまでの路線を継続するしかありません。

その他、中国に関しましては、米国としても、朝鮮問題を抱えている以上は米中関係を良好に保つ必要があり、ここは、当面は安泰ではないかとみております。

とはいえ、中国がある種のバブル状態にあることは、以前から何も変わっておらず、何らかのきっかけでバブル崩壊に至るリスクもないわけではない。

それ以外にも、米国の株価がかなりの高値圏にあり、こちらもいつ下落するかは予断を許しません。また、ヨーロッパでは英国のEU脱退が迫っており、この経済に与える影響も、おそらくはマイナス側に作用するでしょう。

それやこれやで、来年も気の休まることのない一年にはなりそうですが、なに、キャッシュポジションにしておれば怖いものなし。静かに状況を見守りたいと思います。