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学際領域の重要性と文系問題

並松沙樹氏の10/10付けアゴラ記事「学問のタコツボ化と総合〇〇学の重要性」へのコメントです。


私はコンクリートが専門であるが、河川や都市計画等、他の専門領域外の知見も修得し、これからの日本の国土やインフラについて総合的かつ俯瞰的に意見を述べられる専門人材、総合土木学者を目指して研鑽を続けたい。

これは大事なことですね。東工大の「都市・環境学コース」や東大の「先端学際工学専攻」などは、最初から学際領域を狙っております。ちなみに後者は私も関係したことがあったのですが、最初はひどい誤変換に苦しんだものです。

実は文系の学問といえど、数学的知識は必要です。データから何らかの結論を出そうと思えば確率・統計学に頼るしかないし、将来を予測しようと思えば確率過程に関する知見も必要なのですね。我が国で情報技術へのキャッチアップが困難となった背景には、組織運営にかかわる人たちに、この手の知識・経験が欠けていたからではないでしょうか。

経営学に対して経営工学などは古くからありましたから、同じやり方を他の文系領域にも広げるなり、置き換えるなりするのが良いのではないかと思います。マーク・ホールとジョン・バリーの「サンマイクロシステムズ/UNIXワークステーションを作った男たち」では、この手の人たちがサンの苦境を救ったと、次のように紹介しております。ちなみに「エンジニアリング経営」は「経営工学」の誤訳と思われます。

ワークステーション市場の景気が停滞したとき、サンのエンジニアの多くは研究室を抜け出して、問題を抱えた部署を訪問した。…サンは幸運にも、エンジニアリング経営にかけてはシリコンバレーでも優秀な人材を呼び寄せることができた。そしてこれら優秀な人材は、ラクルートが新入社員向けビデオで説明したビジョンに共感をいだいていた。彼らはみな、頭の切れる技術者の側面と、現実的な実業家の側面がうまくブレンドされていたのである。

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