諌山裕氏の5/20付けBLOGOS記事「新型コロナに対するリスク評価の更新を」にコメントしました。
新型コロナによる犠牲者は、確かに当初の予想よりもけた違いに小さいのですが、これは、経済を大きく傷つけるほどの対策を講じた結果なのですね。
なぜこのような大規模な対策を講じたかといえば、放置すれば甚大な被害を招きかねなかったからで、その警告が当初の予想であった、という関係にあるのですね。
これ、タイムマシンパラドックスの一つで、未来が予想できると、みんながそれに従って行動し、その結果未来が変わってしまう。
未来予想は、無視してもらわないとあたらないのですが、コロナの被害に関しては、ことがことだけに無視するわけにもいかなかったのでしょう。
ところで、BCGを効果絶大と考える方がかなりおられるのですが、これだけでアジアと欧米の差を説明することは難しいのですね。
BCGの効果を示す例に、スペインとポルトガルという隣接した国が挙げられたことがあります。確かに、スペインの死者に比べて人口あたりでポルトガルは1/5程度と少ない。でも、日本とスペインの100倍近い差は、これだけでは説明できません。
で、BCGの効果を例示されていて、不思議だとは思われませんでしたか? BCG接種国で死者が少ない国の多くはアジアの国なのですね。
アジアの国々は、すぐ近くの中国で大規模な感染拡大が発生したことから、感染の初期において大いに警戒した、という事実があります。一方の欧米は、新型コロナはアジアの問題と考えて、これを軽視しました。マスクも4月頭にMITが効くかもといいだすまでは、誰もつけなかった。
もう一つに、欧米で流行したのは武漢型と異なる感染力の強い株。被害が段違いであったのは、準備不足とウイルスの強さで説明できるのではないでしょうか。
で、次に我々が対峙すべきは、この強烈な奴かこれに輪をかけた奴。BCGや憲法9条で何とかなるかどうか、私には、はなはだ疑問です。(多分無理でしょう!)