赤池まさあき氏の7/3付けBLOGOS記事「香港人『計り知れない程の恐怖』と記者会見 隣国とは価値観を異にすることを肝に銘じるべき」にコメントしました。
中国の肩を持つわけではありませんけど、これには不同意。
基本的に、固有名詞は、その対象たる主体が名乗ったものを正当とするという原則があります。だから「その文字面に対する普遍的な意味解釈」が実態と解離した名称であっても、名乗ったものを使うべきなのですね。
もちろん、特別な政治的意味合いを込めて、名乗った名称と全然違う呼び方をする場合もありますし、長い名前を短くすることは一般的に認められている。
たとえば「朝鮮民主主主義人民共和国」なんて、民主主義でもないし、実態は三代にわたる絶対王政支配ですから人民共和国でもない。でも、正式名称はあくまで「朝鮮民主主主義人民共和国」なのですね。
で、これでは長いですから、「北朝鮮」と略すことは認められるでしょう。南のお国の「大韓民国」を「韓国」とすることも同様に認められるわけですね。また、南北併せて「朝鮮」と呼ぶことも、日本語としては妥当でしょう。(韓国人からは文句が出そうですけど。)
一方、政治的な意味では、韓国は北朝鮮を「北韓」と呼び、北朝鮮は韓国を「南鮮」などと呼ぶ。まあ、我が国でも「南鮮」は(韓国成立前の古い用語でもあり)今でも使う人がおられますね。さすがに「北韓」は、まずありませんが。
で、「中共」は、台湾を正当な中国政府としていた時の大陸国家の呼び方で、確かに「『中』華人民『共』和国」の略称ではありますけど、この呼び名は、「支那(シナ)」と同様、発展途上時代の中国に対する呼称であって、多少の侮蔑的ニュアンスを含みます。
まあ、そういうわけで、中国に対する呼び名は、今なら「中国」が穏当だと思いますよ。
特定な政治的意図があるなら、お好きなように呼べばよいのですが、これが悪口と相手に受け取られる可能性は、覚悟しておかなければいけない。単純な話です。
コメントがついております。
ドラクエ好きの セキイ
「『中国』で通じるから、中国って呼びます」で済む話かと。
瀬尾 雄三
ドラクエ好きの セキイ さん
この手の固有名詞には、「氏名権」という、基本的人権の一つである「人格権」が伴っているということを理解しなくてはいけません。
もちろん、国の名前は自然人の名前とは異なる。だけど、名前と同様に、人間の存在自体に深く結びついている固有名詞は、これが結びつけられた人間の人格権の一つとして尊重されなくてはならないのですね。
だから、特定の地域を表す地名や、組織名(会社組織やその他の組織の名称)なども同様に尊重されなくてはいけない。
そういう意識をもたない人が多いことは、大いに問題であると思います。我が国の人権意識の低さを表している、と言ったらよいかな?
一部の言論人がこういった暴論に近い言葉を吐くのは、芸風であるといってもよいのかもしれませんけど、ゲートキーパーが存在するはずのメディアでこの手の言説がまかり通ってしまうのは、何とかしたほうが良いと思います。
まあ、彼らにこの手の期待を持つことが、最初から間違いである、と言われたら返す言葉もないのですが、、、
>>なお、隣国チャイナのことを、私が「中国」と呼ばないのは、我が国では「中国」は畿内と九州の中間の国、岡山や広島、山口、鳥取、島根の5県のことを差しており、隣国の「中華思想」を認めないことを表明するために、英語で「チャイナ(China)」というか、共産党を差す「中共」を名称として使っています。
どっちでも構わん。