名月論氏の9/12付けBLOGOS記事「新型コロナウイルス第二波 誇張歪曲デマだらけのメディアとエセ専門家 まだまだ懲りない様子」にコメントしました。
この手の話は繰り返しても仕方ありませんので、やまもといちろう氏のまとめをご紹介しておきます。
https://bunshun.jp/articles/-/38122
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返信がついております。
加藤洋行山本一郎や西浦をもってくるのはセンスがないと思うなあ。>根拠なく「緊急事態宣言は要らんかったんや」と言い出す知識人が増えている問題
根拠はありますよ。緊急事態宣言の前から、感染者数は減っていた。これは天下の朝日新聞も認めている。
加藤洋行 さん緊急事態宣言は4月に入ってから行われたのですが、これ以前にも何もしていなかったわけではないですよ。
たとえば以下のかさこ氏のエントリーは3/4付け。これも規制に批判的なのですが、感染者の急増が始まるのは、この2週間ほど後からなのですね。
https://blogos.com/article/440475/
また、以下の小宮山氏のエントリーは3/7付け。こちらも、中間からの入国規制に批判的なトーンですけど、その後感染者が増えてくると、入国規制が遅れたことを批判する論調が増えてまいります。
https://blogos.com/article/441222/
全く、評論する人たちは、勝手なものです。
瀬尾 雄三加藤洋行 さんここでのポイントは、緊急事態宣言こそ、4月に入ってしばらくしてから行われたのだが、コロナ対応の諸施策は、地方自治体を中心に以前から行われており、これに対して、産業界その他から反対意見が相次いでいた、という点なのですね。
特に休業補償に関して、東京都のような財政的に豊かな自治体と、そうではない自治体の間に格差があり、国の関与が強く求められていた。
その結果、4月に入って国の緊急事態宣言が出されたわけで、対応そのものは以前から行われていた自治体の対応を引き継ぎ、永続性を与え、予算の裏付けを与えて発展させる形で行われたのですね。
緊急事態宣言の前から感染者が減少していたとしても、この傾向を持続させるために緊急事態宣言が有効に機能していたら、これが無用ということにもなりません。
その他、3月末には著名芸能人の方が相次いでコロナで亡くなられ、国民の間に一気に危機感が高まったということもありました。コロナの感染抑制には、これが最も効いたとの意見もありました。
とはいえ、うつりやすい国民感情ですから、この危機感がどの程度長持ちしたかは不明で、これだけでは4月初めの落ち込みがじきに元に戻った可能性も高かったのではないでしょうか。
いずれにせよ、単純に感染者の増減だけで緊急事態宣言が無用であったと結論付けるのは、乱暴な議論だと思いますよ。
瀬尾 雄三加藤洋行 さんだんだんと議論のポイントがずれていきますね。サイエンティストじゃないですね。
まず、「8割?の接触減少がなければ数十万人が死ぬといった西浦教授のモデルはどうだったか?」という、よくある西浦説への批判ですけど、この反論として山本一郎氏のコメントを引用しておいたのですね。
これ、一言で言えば、対策を施したがゆえに「数十万人が死ぬ」などという事態にならなかった、ということなのですね。
逆に言えば、そういうリスクがあったから、大規模な対応がとられ、その結果犠牲者も極めて少なくて済んだ。そういう見方をすれば、西浦説は、大成功と評価すべき指摘であったともいえるわけです。
次いで加藤氏が指摘したのが朝日新聞(!)のいう「緊急事態宣言の前から、感染者数は減っていた」ですが、これに対しては、感染者数の変動は緊急事態宣言以外にも種々の因子が影響している、という点をご指摘しました。
緊急事態宣言は、(種々の批判を受けていた)各自治体の対応をサポートして永続性のある対応にするという側面があったわけですし、著名芸能人の感染死が国民のコロナに対する恐怖感を煽って(4月頭の)感染者数を減少する効果を及ぼしたとする指摘もありました。
で、次は免疫説ですか? これに関しては、免疫によりコロナの感染を抑制できる状態にするまでにどの程度の犠牲者が出るものか、現時点では不明であること、また、どの程度の犠牲まで社会が許容できるかも不明であることから、ここでの議論は止めておきます。
こうした点を含めて、免疫に期待しうるものかどうか、もう少し説得力のある説明が欲しいところです。少なくとも、英国がギブアップしているだけに、慎重な対応が必要なところでしょう。
瀬尾 雄三加藤洋行 さん緊急事態宣言の意義は、コロナ対応に予算的な裏付けを与えて、永続的な対応を可能とすることでした。対策自体は各自治体が事前に行っており、ある程度の効果も挙げていたのですね。
接触の8割削減の意義は、対策に数値的な目標を与えることでした。この理論は、細部の定数等には不明確な部分があるのですが、感染症の推移をこのようなモデルで予測することはごく一般的な手法で西浦氏の手柄ではありません。
このモデルを実地に応用して、啓蒙に努め、政策に移した点が西浦氏の功績ということになります。
なお、感染拡大を予測する数理モデルには分枝過程(ブランチングプロセス)と呼ばれる確率過程が用いられ、よく話題となります「再生産数」が将来を占う決め手となります。
そして、この「再生産数」が1以上なら「拡大再生産」で、感染者は人口の制約(免疫による制約)を受けるまでとめどなく増加することとなります。
これと、増加の過程が(ネズミ算でおなじみの)指数関数的増加となることが、この問題の恐ろしいところであるわけです。新型コロナの場合は、3日で2倍、一月で千倍などという、恐るべき速度での感染拡大が生じ得るのですね。
新型コロナへのあるべき対応は、ここ1年程度は感染拡大の抑制に努め、病気の性質がもう少し明らかになり、ワクチンができるなど対応方法が確立された時点でウイズコロナに方針を切り替えることではないかと思いますよ。
何が起こるかわからない状態下で、あやふやな仮説に国民の命をゆだねるなどということは、先進国の選択すべき政策ではないはずです。
加藤洋行ファクターX、日本と欧米とで、なぜ感染者数も死亡者数も大きく違うのか、まだ十分な説明はできていません。いわば「仮説」の段階です。瀬尾さんはBCG接種でもなんでも「仮説だから」と鼻も引っかけない。ところが、効果の立証できていない、いわば仮説段階の「8割削減」を支持する。人間って、不思議な生き物ですね。瀬尾 雄三加藤洋行 さん8割削減は仮説段階ではないですよ。基礎再生産数の3.5人というのはあやふやな数字ですが、これが実際には5人程度とプラスの誤差があったところで、8割削減でカバーされるわけですね。
感染拡大を表す数理モデルはすでに確立された理論です。その中での重要パラメータが再生産数で、これは、感染者が何人に再感染させるかを表す数値なのですね。
再感染数を1以下にすれば感染拡大は防げる。ここまでは、仮説段階ではなく、すでに確立された理論です。
せめてこのあたりの論理をきちんと勉強してから、ものを言ってもらいたいものです。
加藤洋行西浦さんは「4割削減」でいいところを「8割削減」と言い出した。コロナ対策強化を求めるコロナ脳としてはそれでいいのでしょう。しかし削減が倍になった分、経済へのダメージも大きくなる。それに対して西浦さんやコロナ脳は責任がとれるのかという話です。瀬尾 雄三加藤洋行 さん上の返信で加藤さんは、必要な数字として4割削減と書かれていますが、これは、6割削減の間違いだと思います。
疫病の流行は、通常、移入を伴う分枝過程でモデリングされます。これは、それぞれの患者が他の人に感染させる(この平均値を再生産数といいます)と同時に、系外(今回の場合は国外)からランダムに患者が入ってくるというモデルです。
基本再生産数が2.5の場合、6割削減で接触数が0.4倍となり、実効再生産数が1.0となりますが、ただし、実効再生産数が1.0では、感染者数は減少せず、既に存在する感染者数に、移入分がそのまま加算されることになります。
実効再生産数が0.5の場合には、移入分からの感染者が合計で移入分と同じ数だけ発生し、移入分と合わせて感染者が二倍となります。感染病対策として、最低限で済ませるというやり方は、病人を増やしてしまいますので、好ましいものではありません。
西浦氏は、スーパースプレッダーを念頭に、余裕を見込んだような話をされていました。再生産数は、平均値で議論していますけど、分布に非常に幅をもち、極めて多数に感染させる少数者と、誰にも感染させない多数者がいるのですね。
我が国の場合危惧されていたのが、後々にも問題となります夜の街だったのですね。これは、この先も、何とかしておかなくてはいけません。
疫病の感染の数理的取り扱いに関する分かりやすい書物にマルコム・グラッドウェル著「急に売れ始めるにはワケがある」があり、このあたりの事情は同書に詳しく出ております。
いずれにせよ、このくらいを読まれてから議論していただけると助かります。ちなみに、同書には数式は全然出てきませんが、この手の現象は、社会の広い分野で生じているもので、ちょっと考えれば、数理モデルが多数存在するであろう位のことはわかっていただけると思います。
まあやまもと氏に同意するよ。