PRESIDENT Onlineの2/28付けBLOGOS記事「上野千鶴子『忖度も根回しもしてきた』組織で活躍する女性と孤立する女性の決定的な違い」にコメントしました。
男性たちは、お互いの間でそういう助け合いをやってきたのですから。義理と人情で、恩を売ったり買ったりしています
と、書かれていますけど、貸し借りの概念は男性特有のものなのでしょうか? 女性の世界に貸し借りの概念が乏しいということでありますと、これはちょっと驚きです。貸し借りというのは、わが国固有の概念ではなく、北米の先住民族の間に広くみられる「ポトラッチ」とも通底するものですよね。人は常に取り引きをしているのですが、物と物との交換ではなく、心理的な貸し借りを併用した、ある種の「信用取引」をしているのですね。これは、社会関係に広く一般的に存在するのではないかと思います。
我が国の人間関係の特徴は「タテ社会」であるということが言われています。実はこのエントリーでも特徴的にみられる点が「上下の関係」なのですね。これはある意味アジアに特徴的なものかもしれません。これは、儒教の影響かもしれないのですが、中国との朝貢外交の長い歴史のなせるわざかもしれません。こういう考え方もそれほど珍しいものでもなく、「犬は序列をつけて人と接する」などといわれているのですね。これもしかし、男も女もないような気がします。我が国の外交政策の基軸が、未だに朝貢外交の路線を引きずっているのは、少々おかしいとは思いますが。
で、男の特徴といいますと、これは組織の枠から外れるのかもしれませんけど、「ダンディズム」。おのれの損得かかわりなく、美学を通す。カサブランカ・ダンディーの世界なのですね。まあ、女性からみたらはた迷惑かもしれませんけど、ヴィトゲンシュタインの言う「倫理と美は一つである」がまさに倫理の基本を言い表しているような気がいたします。
もちろん、今の我が国の男に、こんな美学が残っていないかもしれず、そういう人たちへの殺し文句が「皆様そうされてます」だったりするのが、とっても嫌なところなのですね。
どっちもどっちや