ABEMA TIMESの3/6付けBLOGOS記事「東京都で新たに293人の感染確認 重症者は2人増の51人」にコメントしました。
新規感染者数は、先行指標として最も頼りになるのですが、治療したり隔離したりすべき人を見つけ出す手段にフォーカスする一方で、新型コロナ感染状態の計測手段という、もう一つの重要な役割を軽視した形で検査が行われているのは少々問題であるように思われます。
以前のPCR検査は、37.5℃以上の高熱が4日間継続した者と、感染者と濃厚接触があったものに限られていた。それが、無症状の人たちにも拡大され、どんどん対象者が増えている。これで検出された陽性者が増えている場合、コロナの感染が拡大していることが原因なのか、検査が拡大したことが原因なのかがわからないと、検査結果は新型コロナ感染状態の計測手段としては不適当ということになってしまうのですね。
検査条件の変更に左右されないデータをとるためには、それぞれの検査が何故に行われたかを記録して、最初の検査基準と同じ条件下で行った検査結果のみを判定に使うべきです。でも、たぶん、検査の現場はそれどころではなく、このような記録まではできないということなのでしょうね。
そうであるならば、別途、無作為抽出した人々に対する検査を大規模に行い、これによって感染状況をチェックするなどのことをおこなわなくてはいけない。緊急事態宣言を解除するのかしないのかといった判断のベースには、このような、確かな情報を用いなくてはいけないのですね。
この点に関しては、昨年のPCR検査対象拡大の折にも問題視する意見があったと思いますけど、その後どうなったのでしょうね。今回の新型コロナをめぐる我が国の対応に関しては、あまり、科学的ではない部分が多すぎるような気がするのは、私だけでしょうか? このようなテーマを扱う国立研究所だってあったはずですけど、いったい何をやっているのでしょうね。
止まっちまったねえ。