中村ゆきつぐ氏の9/26付けBLOGOS記事「感染者減少の理由が若者の深夜の繁華街の人流減少というのなら...」にコメントしました。
何事に関しても、専門家に説明を要求すること自体は無理からぬことなのですが、世の中の問題は易しい問題だけではなく、難しい問題だってあるということを理解してやらなくてはいけません。専門家だって、スーパーマンじゃないのですね。
新型コロナの感染問題が難しい点は、対象が均質じゃない、という点でしょう。これはマルコム・グラッドウェル著「急に売れ始めるにはワケがある(SB文庫)」で「少数者の法則」と呼ばれる問題で、社会の中のごくわずかな特別な人に伝達されると、急速に拡散するという現象があるのですね。(ちなみに同書は絶版中。「ティッピングポイント(町が傾き始める黒人比率)」などと書いたことが問題のような気がします。)
新型コロナの場合は「スーパースプレッダー」の存在で、第二波の際には歌舞伎町などの風俗街の人びとが感染を拡大するドライビングフォースとなった様子ですが、このエントリーで紹介されている説明では、夜の街を徘徊する中年男性が怪しまれております。
もう一つは、家庭内の感染防止は難しいということ。家族の誰かが感染してしまうと、家族全員が感染してしまうことは避けがたい。少なくともそのリスクは極めて高くなってしまうのですね。だから、家庭内の感染が多いと言って、ならば家庭内での感染を防げばよいということにもならない。家庭内に持ち込まないというのが、最も合理的な解決策でしょう。
と、いうわけで、誰が感染を拡大している最大の要因かが突き止められていないし、その人物の行動パターンもわからない。ならば、明確な因果関係がわからないこともやむを得ない。一般的に言えることは、やはり、マスクの着用や手洗い励行、そしてあまり出歩かないで下さいというしかないのではないかと思うのですね。ここは、すべてを専門家に期待するよりも、まずは個人個人ができることをやるしかない、これに尽きるのではないでしょうか。
ワクチン