小林恭子氏の11/4付けBLOGOS記事「【テロとの戦争から20年】欧州とイスラム教徒 なぜ衝突するのかを考える」にコメントしました。
米国によるアフガニスタンの攻撃は、9.11に対する報復であり、ビンラディンの身柄引き渡し要求を拒否されたことが直接のきっかけではありました。でも、これと並んで行われたイラク侵攻と合わせて、その理由は明確でした。たいていの米国人は「やられたらやり返す」という。これが共通認識だったのですね。
この言葉を聞いて思ったことは、これは「トムとジェリー」だねということ。このアニメ、ネズミのジェリーのいたずらに怒った猫のトムが盛大に『やり返す』。で、家じゅうのものを壊しまくり、最後にトムが痛い目にあってFinというわけです。結局、アフガニスタンで米国は、このトムの役回りを演じたわけです。
で、更に思ったことは、その少し前、米国のテレビでは日曜の朝、トムとジェリーのアニメを放映している。こんなものを見て育てば、この手の考え方に染まるのも道理だと思うのですが、同時に放映されていた「セーラームーン」でいろいろと考えてしまう。特に月野うさぎのセリフ「あの人は、なんで、心を開いてくれないのかしら」なのですね。90年余りのトムとジェリーの歴史の中で、まず、語られそうにないセリフです。
このセリフ、いかにも日本的だし、世界中の人々が同じように考えれば世界は平和になるのですが、似た話をドナルドキーン氏が「百代の過客」の中で、日本の日記文学と中国文学を比較して指摘しておりました。日本文学の特徴は「抒情的」であるのに対し中国文学は「叙事的」だと。
世界を内面から見るか、外面から見るか、実は、カントによる哲学思想の「コペルニクス的転換」にも通ずるのですが、これを語るにはスペースがありません。何しろ、現象学から禅までカバーする広がりを持っている。だけど、日本的視座というものは、それほど悪いものでもない、それどころか、世界を救うものになるかも、という点だけをここでは指摘しておきます。
後はタリバンがやってくれるよ