コンテンツへスキップ

PRESIDENT Onlineの3/15付けBLOGOS記事「日本のビッグマックはタイより安い…日本が急激に貧しくなったのは『アベノミクス』の責任である」へのコメント

PRESIDENT Onlineの3/15付けBLOGOS記事「日本のビッグマックはタイより安い…日本が急激に貧しくなったのは『アベノミクス』の責任である」にコメントしました。


1ドル=78.22円を正常とみるか、アベノミクス後の110あたりを正常とみるかの問題ですね。1ドル80円時代は我が国の電機産業が成り立たず、空洞化とリストラのあらしが吹き荒れたのですね。これは正常とはいいがたい。

民主党政権時代に極端な円高が進んだ理由は、リーマンショックを受けて欧米がQE2などと呼ばれた大規模金融緩和に踏み切る一方で、我が国の対応が遅れたから。アベノミクスは日本の金融政策を欧米並みにしただけの話なのですね。


とはいえ、日本が途上国化しているというご主張はその通りです。我が国は情報化という第二の産業革命に乗り損ない、先端産業をものにできず、利益率の低い産業にしがみつくこととなった。

これは、労働の低生産性を意味し、賃金が下がり、人件費が下がる。だから、ビッグマックも安価にできる。簡単な話ですね。

でもこれは、アベノミクスが原因ではなく、情報革命に乗れなかったことが原因。いろいろなことが同時に起こっているため、因果関係が読みにくいというのは、その通りなのですが、、、


以下のコメントも追加しました。


前にも書いたことですけど、大事なことですのでこちらにも再記しておきます。

円ドルの長期推移ですが、エズラ・ヴォ―ゲルがジャパンアズナンバーワンを出した1979年頃が200-250¥/$で、バブルの進行に伴い150¥/$あたりまで円高が進み、バブル崩壊後100-150¥/$に落ち着いております。

我が国に致命的な遅れをもたらした情報革命は1980年代に基礎をこさえ、1990年代に一気に開花した。この時代は、実は、円高の進行期に相当します。


円高の進行は、貿易収支の黒字によるもので、国際競争力の強い電機・自動車産業がけん引役となったのですが、独占的な情報産業(放送、通信)やエネルギー産業(電力など)、金融、銀行等は現状維持の傾向が強く、これが情報革命に乗り遅れる背景にあったのでしょう。電電の民営化など、手は打たれたのですが、不十分だったのですね。

もう一つ致命的だったのは、新規参入困難な我が国の固定的な産業形態と、新しい技術の導入を阻害しがちな雇用慣行(終身雇用)などもありました。


小泉竹中改革は、これを何とかしようという試みではあったのですが、正社員に手を付けられず、不十分な形で終わってしまいました。

このような日本を何とかするには、一定の円安水準を維持しつつ、新規参入を容易にする規制緩和、投資環境整備、雇用の自由化など、より流動性の高い社会にしていくしかない。混乱はあるだろうけど、痛みを最小化する福祉政策も併せて行うことで、変革期を乗り切るしかないと、私は思うのですが、、、


あと、「アベノミクスで貧しくなった」は、正しい。円高の修正は、つまりは自国通貨の下落であり、その本当の意味は、「自国全体での給与引き下げ」なのですね。

伝統的に、自国通貨安で国際競争力が増すのは、まさにこの人件費の切り下げにある。だからまず生じる現象が国民の貧困化であることは、あたり前の話です。誰も語りはしないのですが、、、


返信がついております。

花の ヤン

瀬尾 雄三 さん

<伝統的に、自国通貨安で国際競争力が増すのは、まさにこの人件費の切り下げにある。>

おや、その理屈だと民主党政権時代の円高不況の頃は「人件費切り上げ」だったことになりますね。

といいますか、ドル換算の賃金だけを比較してもしょうがないと私は思っています。


瀬尾 雄三

花の ヤン さん

民主党政権時代には、人件費の切り上げがあり、その結果、我が国の電機産業は成り立たず、国外に逃げ出してしまったのですね。で、リストラのあらしが吹きまくる。

幸いなことに、我が国の輸出産業が全滅する前に、民主党政権が倒れました。こうして日本の危機は回避されたわけです。


瀬尾 雄三

もう一つ書いておけば、80年代にドル円が200-250¥/$の水準から100-150¥/$へと1/2になった際に、日本人のドルベース賃金は倍増した。

これは、輸出産業に従事する以外の人たちも含めての話で、これが我が国の産業にはボディブローのように効いてきたのですね。

我が国の失われた10年~30年の下地には、こんな要素もあったのですね。

1 thoughts on “PRESIDENT Onlineの3/15付けBLOGOS記事「日本のビッグマックはタイより安い…日本が急激に貧しくなったのは『アベノミクス』の責任である」へのコメント

コメントは停止中です。