川北英隆氏の3/20付けBLOGOS記事「日本銀行の敗北とは」にコメントしました。
有事の円高は、日本にとっては全然よいことではない。有事に伴う経済的打撃に加え、円高という打撃も加わってしまうのですね。こんなことが起こるのは、円が過度に信任されているから。円が信頼され過ぎるのも問題なのですね。こういうところでこそ、横並びの精神を発揮すべきでした。
日本に過保護があるというのはその通りなのですが、その対象は、企業ではなく、正社員。民主党政権時代を思い出せば、極端な円高で日本の電機産業は成り立たず、海外への生産拠点の移動が相次いだ。これを防ぐため為替レートを妥当な水準に保つのは、当局としてあたり前のことなのですね。
雇用の過保護の結果、我が国は情報技術をものにできない。その結果、産業界全般が衰退する。これに関しては、最新の情報技術を操れる若い人たちに経営をゆだねることしか手はありません。
もう一つの大問題は、「日本人」ノーベル賞受賞者の少なからぬ人たちが日本を脱出してしまっていることからもうかがえる研究開発環境の衰退。企業もそうだけど、学術会議は何を考えているのでしょうか。政治的活動をすればよいというものでもないのですね。
これに関しては、既存の組織でどうこうなるとも思えませんから、国が何とかするしかない。特に優れた研究者を吸収する組織を作り、自由に研究させること。できれば、戦略的重要テーマを詰めていただきたいところです。
いずれにしても、今の我が国には大きな問題がある。自分が食えればよいというものでもない。この国の先行きをきちんと見据えて必要なことをしなくちゃいけない。
そのために政治的に方向を示すことが、今日、特に求められているのですね。
何とかしなくてはいけません。
返信がついております。
花の ヤン
瀬尾 雄三 さん
<これに関しては、既存の組織でどうこうなるとも思えませんから、国が何とかするしかない。特に優れた研究者を吸収する組織を作り、自由に研究させること。できれば、戦略的重要テーマを詰めていただきたいところです。>
その処方箋の一つは、大学への補助金を増額することでしょうね。
もし予算がなければ、国立大学だけでも補助金を増やすべきでしょう。
失敗したサッチャー改革を参考にして、政府が国立大学の予算を削減してしまったのは大きな失敗だったと思います。学術予算に限らず、サッチャー改革信奉者の大きな欠点の一つは採算性を理由に設備投資や開発投資、教育投資などの「投資」を軽視していることだと思います。
まあ、猿真似志向をやっちゃう人たちだから仕方のないことなのかもしれませんけど。瀬尾 雄三
花の ヤン さん
大学に限らず、公的研究機関への支出も増やすべきでしょう。
ただし大事なことは、第一に、きちんと成果を上げている研究機関に集中的に予算を配分すること。第二に、あるべき未来の姿を想定した一定の戦略の基に重点的にテーマを選ぶことです。
9条が~といってりゃ研究した気になっているようなノーテンキな研究者は対象外、で構わないと思いますよ。
花の ヤン
瀬尾 雄三 さん
<ただし大事なことは、第一に、きちんと成果を上げている研究機関に集中的に予算を配分すること。第二に、あるべき未来の姿を想定した一定の戦略の基に重点的にテーマを選ぶことです。>
私はこの考え方には賛成しかねますね。
どんな研究が当たるのかわからないわけですから、研究が役に立つかどうかを基準にするのはナンセンスだと思います。そんな選別をする目利きを確保するのも大変な手間とコストがかかることを考えれば、潤沢な資金だけ提供して研究者に好きな研究だけをやらせた方がマシだと思います。
といいますか、目的のはっきりしている分野なら民間企業の研究にまかせてもいいのではないでしょうか。
<9条が~といってりゃ>
ちょっと話が逸れますが、今の日本にこそ憲法第9条は必要だと思いますよ。
憲法第9条がなければ、イラク戦争等みたいなアメリカの大義なき戦争に日本が参加させられる危険性が高くなると思います。
それを防ぐには、憲法第9条はそのまま残すのが最も簡単で効果的です。瀬尾 雄三
花の ヤン さん
数学や理論物理学などの基礎的な研究は、たしかにその通りですが、ここで問題にしているのは、日本経済を興隆させるために産業面の競争力を向上するための研究なのですね。
この場合は目的がはっきりしており、研究成果がどの程度役に立つかもわかりやすい。これをきちんと評価して、有能な研究者に多くの資源を配分する。さすれば、彼は大いに研究成果を上げ、周りの人間も賢くなるし、その成果を生かした産業が盛んになる、というわけです。
花の ヤン
瀬尾 雄三 さん
おっしゃることはわかりますけど、世の中には鈴虫の音色の全国マップみたいな研究をする人がいるのです。
このような研究や研究者にも潤沢な報酬と研究費を提供すべきだと思うわけですよ。効率で考えたら学術研究なんか発展しませんよ。
無駄な研究でもいいから資金と報酬を与えて豊かな学術研究環境を実現し、企業など他の者がそれらの研究の応用を考えればいいと思うのです。
こうした無駄遣いができるのは国家政府などの公的機関しかありませんし、そうした裾野が広い研究環境こそが科学技術を結果的に大きく発展させると思うのです。瀬尾 雄三
花の ヤン さん
ここで議論しているのは、いかにすれば日本の産業界が再び競争力を取り戻せるか、という問題です。これは、学問の振興とは、また別の問題なのですね。
そりゃ、国家予算に余裕があるなら、大いに学問、研究を盛んにすればよい。でもさしあたりの問題は、我が国の産業が他国に遅れを取っているという点。
これをどうするかは、喫緊の課題なのですね。なにぶん、こちらは国民の生活がかかっておりますから。
花の ヤン
瀬尾 雄三 さん
<そりゃ、国家予算に余裕があるなら、大いに学問、研究を盛んにすればよい。でもさしあたりの問題は、我が国の産業が他国に遅れを取っているという点。>
一気に遅れを取り戻すのは無謀というものですよ。
技術や学術は継続して獲得するものですからね。サッチャー改革に惑わされて学術を疎かにしたツケがまわってきたということです。
瀬尾 雄三
花の ヤン さん
一気に遅れを取り戻す研究開発も、過去にはいくつかなされています。有名どころでは、宇宙開発でソ連に遅れを取った米国が始めたアポロ計画とか、我が国が1976年に設立した超LSI技術研究組合などがあるのですね。
同様なことをいくつかの重点テーマについて始めれば、遅れは一気に取り戻せる。いくつかのロールモデルを示すことができれば、他の分野もこれに倣うことも期待できます。
ここはひとつ、やってみたらどうでしょうか。
中小企業を淘汰するしかないが、自民党の支持者の多くは中小企業の経営者だからうまくいかないだろう。