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波動砲も実用化できます

イスカンデルなどというどこかで聞いたことがあるネーミングの核ミサイル発射訓練を受けて「可能性があるとすれば、電波兵器とか、強力なレーザが有望」などと最近のブログに書いたのですが、電波兵器、結構よいところまで来ております。


「マイクロ波ロケット」と名付けられましたこの装置、下図のような形をしております。少々わかりにくい図ですが、絵の赤い線はマイクロ波を示しており、その内側にあるハッチを施した赤いブツは、マイクロ波の移動方向を示す、ただの矢印です。

この装置Ground Based Stationと書かれました長四角と台形が本体で、ロケット側には反射鏡があるだけです。そして、ロケットの反射鏡に向けて地上から強力なマイクロ波を送るのですね。このマイクロ波たるや、核融合に用いる強力な発振装置(ジャイロトロン)で作り出すもので、170GHzで1MWなどといった強力なマイクロ波をビームを絞って送ることができるのですね。そういたしますと、ロケットの反射鏡焦点でプラズマが発生し(図の水色部分)、衝撃波が後方に送られる。この反動でロケットは前に飛び出すというものです。

マイクロ波ロケット、ロケット本体には特段の推進装置がなく、大部分の設備は地上側にありますので、多数のロケットを何度も打ち上げると経済的になる。となりますとこれ、ミサイルを発射するシステムに最も向くのですね。つまり、ミサイル本体にはロケットエンジンは要りませんから、その分ローコストになる。イージス艦では、多数のミサイルを打ち上げますので、すぐに元は取れるのですね。

で、このマイクロ波をロケットの反射鏡ではなく、敵に向けて発射することもできます。波動砲ですね。この場合どうなるか、といいますと、電子回路を狂わすことができる。実はこれに似た装置は、ドローンを無害化するためのドローンガン(下図)として実用化もされているのですね。さすがに、核ミサイルを落とすには、こんなハンディなマイクロ波発射装置では少々力不足で、マイクロ波ロケットのような強力なマイクロ波が必要だと思いますが。

ジャイロトロンは、現在のところ日本の独壇場。ITER向けのジャイロトロンをすでに4基検査にパスし、残りの4基も既に製作を完了していると(下図)。これ、夢物語とか、そういう類ではないのですね。

イスカンデル(下図)を波動砲で落とす、ちょっとねじれた関係にありますけど、良いアイデアではないでしょうか。

1 thought on “波動砲も実用化できます

  1. Mitsunori mi.mino

    核ミサイルを落とすのは太古の昔からガンダムと決まっている。古事記にもそう書いてある。

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