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勝負か、田舎芝居か

小幡績氏の6/16付けアゴラ記事「日銀よ、勝負師たれ」へのコメントです。


ヘッジファンドからチャレンジを受けていて、完全に守勢に立たされている。

釣り針の餌を魚がくわえたら、漁師が守勢に立たされているように見えるのではないでしょうか。現在の黒田氏の心境は、大物が針にかかった釣り師の心境ではないかな?

もちろん、餌をとられるリスクは常にある。だけどまた、千載一遇のチャンスでもある。それを狙って、いろいろな細工をしてきたのかもしれません。

いずれにせよ、プラザ合意以来の円高の歴史がすでに40年近く続き、バブルの後の失われた30年で、もはや日本にはあとのない状況。幸い、輸出産業がすべて失われたわけでもないし、観光という新たな産業もある。しかも巨額の外貨準備は、まだしっかりと残っている。

勝負を掛けるとすれば、今がその時期だと思いますよ。日本側も、もはや後がないところまで来ていたのではないでしょうか。


以下はブログ限定です。また、昨日のブログも同じテーマを扱っております。ご参照ください。

万が一失敗しても、日銀が0.25%の利回りで必ず買ってくれるから、0.25%をわずかに下回る水準で買い戻せば、わずかの損失で済む。

この考え、よくわかりません。国債が値下がりして利回りが上昇したら日銀が買うと予想できる。だから、国債はそうそう値下がりしないということですよね。これだけでは、空売りで利益を出すことが難しいということにしかならない。さらに、日銀が国債を買い進めた結果、市場で流通する国債が底を突けば、国債は値上がりするわけで、売り方は損をしてしまいます。いわゆる、売り方が「踏み上げ」を食らうというわけですね。国債の空売り、そうそう安全なものではないのですね。

ヘッジファンドに勝ち目があるとすれば、国債の空売りと同時に円を売り浴びせ、円安とする一手でしょう。日銀が国債を買い支えるという意味は、その対価として市場に巨額の円を供給しているわけで、それだけでも円は下落する方向にあるのですね。

そして、円安になれば、国債は安価に買い戻せる。日銀(なり日本政府)が円安ウエルカムと考えているならば、日本サイドでは円安を放置し、国債相場も円ベースではそうそう動かないはずだから、ドルベースの国債価格は下落し、ヘッジファンドは利益を得る。これは、日本サイドも餌として与えている(ファンドの利益に目を瞑っている)のではないかと思いますよ。阿吽の呼吸といいますか、、、

結局のところこの田舎芝居、プラザ合意以来の円高の歴史を巻き戻すという、壮大な仕掛けであるかもしれないのですね。

この歴史、実は、そろそろ巻き戻さなくてはいけない時期に来ております。なにぶん、この円高、もとはといえばジャパンアズナンバーワンとも言われた強すぎる日本の国際競争力が背景にあった。でも、三十数年の時を経て、いまや日本の強さは見る影もない。このままでは、中国の陰に隠れてしまうかもしれない。ここまで来たら日本を少々強化して中国にぶつけるのも悪くはない。国際的には、そんな意識も働いているのではないでしょうか。日本、恐るるに足らず、というわけですね。

我が国といたしましては、国債相場は維持しつつ、為替に関しては、ここしばらくは、猫をかぶって、円安トレンドに向かうのをじっと横目で見つめつつ、何もしないのが大正解だと思いますよ。まあ、その間、我が国の情報化や産業力の強化、研究開発のレベルアップなどは必要だと思いますが。

「臥薪嘗胆」昔の人は良いことを言ったものです。ここは、じっと我慢の子。いずれ麺も柔らかくなってきます。それからじっくりと頂くのが、我が国にとりましては、一番おいしい道だと思います。

1 thoughts on “勝負か、田舎芝居か

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