岡本裕氏の9/15付けアゴラ記事「揺れる為替相場、疑心暗鬼の株式市場:国力次第で円安が突き抜ける」へのコメントです。(9/16:追記)
普通に考えれば、通貨高は自国経済にマイナスだし、利上げは景気を冷やす。このあたりは、高橋洋一氏のコメントが正鵠をついていると思いますよ。https://news.1242.com/article/367183
で、高橋氏は、円安に対する批判が海外から出る前に国内から出ることを疑問に感じておられるのですね。曰く「日本国内で批判が出るということが、私は不思議ですね。普通は海外から批判が出るのです」。
これは、我が国のジャーナリズムやリベラル評論家の歪んだ姿を反映しているのではないかと思います。つまり彼らは、自国政府を批判するあまり、近隣諸国の利益に肩入れしてしまっているのですね。
問題の本質は、為替の長期チャートを見ればわかる。1985年以来、日本の経済力を削ぐための国際的スクラムが形成され、以来日本は失われた10年、20年、30年が続いてきた。そろそろこの状況から脱しないといけないのですね。
今では、先進諸国もその方が良いと考えなおしているのではないかな? これは、我が国にしてみれば願ってもない機会。この機会は、モノにしていかなくてはいけません。
花のヤンさんのコメントに本文でお答えします。
経済学のことが感覚的にわかっていない
つまりはそういうことですね。一つには、経済は自然現象に近く、必ずしもすべてが把握されているわけではないのだが、それでも一定の法則に従って動いている「システム」だということですね。だからこの先何が起こって、どういう対策をとれば、どちらの方向に進んでいくかがわかる。これが日本にとって好ましい状態を作り出すようにコントロールすることが政府の仕事なのですね。
ところが岸田氏は、自然現象を解析するのではなく、人々の思惑を読み解こうとする。このためいろいろな人がいろいろなことをいうと、そのさまざまな意見に引きずられて総合的にみると頓珍漢な手を打ってしまうキライがあるのですね。
経済のもう一つの特徴に、ある経済的な動きが、日本社会を構成している一部の人達にはプラスになる一方で、他の人たちにとってはマイナスになるという点があります。円安は、輸出産業にとってはプラスだけど、輸入品を使う人たちにとってはマイナスとなります。円安とこれに伴うインフレは、日本の産業全般にプラスの作用がありますので、現役の働き手にとってはプラスだけど、預貯金をため込んだお年寄りにはマイナスとなる。
そして、プラスとマイナスの影響がある変化が社会に生じると、プラスの影響が出たところは、これを黙っていなくちゃいけない。ヘンに公言してしまうと、社会的なバッシングを浴びることになります。かつての石油ショックの時、ある商社マンが「千載一遇のチャンス」との激を社内に飛ばした。これが問題になって、国会にまで呼ばれて責められたのですね。多くの国民が原油高にあえいでいるとき、便乗値上げをするような話は論外である、というわけです。でも、原油価格の高騰の結果、物価が上昇し、日本の景気は良くなってしまった。なにぶん、給与も飛ぶように上昇したのですね。
で、マスコミも「困った」という面ばかりを取り上げて論評するから、何か変化が生じると、それが何であれ、日本にとってとんでもない厄災がやってきたように見えてしまう。円安など、本来は、日本経済にとって干天の慈雨であるにもかかわらず、です。
で、人々の話を聞く岸田総理も、悪い話しか伝わってこないものだから、頓珍漢なことしかできないわけですね。ここは積極的に攻める局面なのですが。
岸田総理がこの先間違いを犯すリスクを低減するには、高橋洋一氏あたりを呼んでお話を伺うなどすれば参考になるだろうし、同じ政治家なら、経済のことが多少なりともわかりそうな林芳正氏と、日本経済の先行きと打つべき一手について議論を深めたらよいのではないかと思います。
>これは、我が国のジャーナリズムやリベラル評論家の歪んだ姿を反映しているのではないかと思います。
>つまり彼らは、自国政府を批判するあまり、近隣諸国の利益に肩入れしてしまっているのですね。
たしかに、日本のジャーナリズムやリベラルに経済学的素養が欠落していますね。
私が思うに、それは批判的精神というよりも文系エリートが法学部出身者に偏っていることが原因だと思いますよ。
法律屋さんには自然科学的な面がある経済学のことが感覚的にわかっていない傾向が強いと思います。
といいますか、岸田政権の円安対応は遅くて的外れのような気がしますね。
私だったら、「円安こそチャンスだ!製造業起業」を煽って起業補助金やら設備投資補助金、技能系教育投資などを考えちゃいますけどね。
まだあわて