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ネット時代の組織のあり方は?

倉沢良弦氏の9/19付けアゴラ記事「個人主義から全体主義を目指す人が増えた日本」へのコメントです。


ネットワーク時代の組織論というものがあって、基本は中央集権から自律分散への移行、目標と価値観を共有する多数の小集団が、自らの判断によって動く、そんな組織のあり方が、パーソナルコンピュータと情報ネットワークが普及した時代には効率的になりました。

マフェゾリの「小集団の時代」は、そのような社会を描写したものだけど、一つの例にトヨタのQCサークルがある。これは、情報化という時代に合わせた業務プロセスの見直し(BPR)でも、一つのロールモデルになっているのだけれど、日本ではあまり活用されておりません。

社会構造という見方では、集産主義(コレクショニズム)という概念があり、LinuxやWikipediaのような、独立した自由な個人が知恵を出し合う緩く結合した社会というモデルがあるのですね。これはまた、「集合知」の活用でもあります。

集産主義は共産主義と似ているのだけど、党中央が号令を出すか、現場の判断に従うかという点で根本的に異なる。意思決定のあり方では、米海兵隊のOODA富士フィルム古森会長のSTPDとも相通ずるものがあります。

OODAが利用しているのは、言語化され論理化・数値化された情報ではなく、知覚情報から体が判断する前言語的情報に頼ることで、カントが「理性」に対抗して「悟性(最近の訳では知性とも)」と呼んだものです。人工知能で言えば、第五世代コンピュータの論理的推論に代わる、最近流行のディープラーニングがこれにあたります。人間も、進歩しなくてはいけません。

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