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30年ずっと「退歩しちゃうぞ」

川口マーン惠美氏の10/9付けアゴラ記事「退歩する世界:歴史は繰り返されるのか」へのコメントです。(ご参考まで


日本の実質賃金指数はこの30年で全く伸びていないどころか、1割も下がっている。こんな国は先進国のどこにもない。

この謎は、30年前に何が起こったかを知れば、容易に解くことができます。1990年代にこの世界で起こったことは、第二の産業革命ともみなされている情報革命で、第一の産業革命が肉体労働を機械化し、ブルーカラーの生産性を高めたのに対して、第二の産業革命は知的労働を機械化し、ホワイトカラーの生産性を高めました。

ところが我が国では、時を同じくしてバブルの崩壊があり、就職氷河期の真っ最中。ホワイトカラーの生産性を高めたりしたら、単純に、失業者の群れを生じるだけ。情報革命の本格的な利用は、我が国では封印されてしまったのですね。

生産性が上がらなければ、給与も上がらない。進歩する世界に対して相対的に我が国は後退する。そして普通なら為替がこれを平準化するのに対して、プラザ合意の結果としての円高は、そのまま。このため、我が国は後進国への道を着実に歩んでおります。

どうすればよいかは簡単で、遅ればせながら情報革命を受け入れ、ホワイトカラーの生産性を一桁高める。その結果生じる余剰人員を受け入れるため、為替を円安にシフトして生産工場を我が国に取り戻す。解雇規制を緩めて雇用の流動化をはかる、まあ、やることは簡単ですけど、抵抗もまた激しい。前に進めるためには、政治のリーダーシップが望まれるところです。

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