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為替政策と反知性ポピュリズム

アゴラ編集部の10/18付けアゴラ記事「1ドル=149円突破で150円は目前:円は10年前のピーク時の半分に」へのコメントです。


為替政策を評価する際は、いかなる為替水準にあることが我が国にとって良いことなのか、をまず議論しなくちゃいけません。円高を志向すべきか、円安を志向すべきか、ということですね。

1985年のプラザ合意以降円の価値はドルに対して倍増、日本人の貯金も給与も、ドルで評価すれば倍増したのですね。輸入品価格はドルでそのまま、円では半値になってしまう。日本人にとっては我が世の春です。

でもなぜそのような政策を世界が合意したかといえば、日本国民に対する愛故ではなく、日本の輸出産業の力を削ぐため。日本人の生活水準が向上してきたのは、輸出産業の強さがあればこそでした。でも、他国にはそれが厳しすぎた。円高に導けば日本の輸出産業は壊滅すると考えたのですね。

将来を読む力は『知性』のなす業。将来を犠牲にしても目先の利益を追求する考え方を『ポピュリズム』『反知性主義』といいます。円高はポピュリズム的には大歓迎なのですね。逆に円安志向の政策は、なかなか国民の理解を得るのが難しい。

ここにきて、我が国も、米国も、政府のトップで円安志向を固めているのは、これ以上円高を続けると、日本が発展途上国になってしまうと見抜いたからでしょう。アジアで日本は一定の力を持つことが望ましい。日本国民にとっても、本当はそれが幸せであるはずなのですが、、、


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