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日本経済、30年の憂い

岡本裕明氏の10/24日付アゴラ記事「なぜ欧米ほど物価が上がらないのか:日銀ではなく日本経済を憂うべき」へのコメントです。


日本はなぜ物価が上がらないかといえば、給与が上がらないから、高いものは買えないのですね。で、なぜ給与が上がらないかといえば、GDPが上がらないから。給与総額の伸びは、GDPの伸びとほぼリンクする。労働分配率が同じならそうなります。

これがなんと、ここ30年ほど続いている。驚くべき事実ではあります。このあたり、小川製作所さんの古いエントリーの最後の図を見ていただくと理解しやすいと思います。https://agora-web.jp/archives/220624225916.html

本図はブログ限定です。小川製作所さんの図に、イベントを表す矢印を追記しています

で、なぜGDPが増えないかといいますと、一つの理由は80年代まで絶好調であった輸出産業が停滞したこと。1985年のプラザ合意で、国内工場の競争力が失われ、自動車各社、電機各社は海外に生産拠点を移しているのですね。

もう一つの理由が生産性が上がらないこと。かつての産業革命にも匹敵する情報革命が1990年代に勃発、各国はこれを取り入れてホワイトカラーの生産性を一桁高めた。我が国はそうはなっていない。これは、たまたまバブルの崩壊と時を同じくしたこともあるけれど、30年間そのままというのは、それだけでは片付かない。

この問題の根底には、日本の固定的な雇用環境の問題と、もう一つは、数理的処理の苦手な人たちが組織の中枢部を占めてしまったという、一部に「文系問題」と呼ばれる問題があります。このあたりは、一刻も早く、教育の世界に手を打たなくてはいけないのですが、我が国に理系人間がいないわけでもなく、プレーヤーを選んでいけば、まだまだ何とかなる問題でもあるのですね。


Rishi Sunak? No, it's a Snark!

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