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ドル円を決める忘れられた要因

荘司雅彦氏の10/26付けアゴラ記事「『円安と補助金で自壊する日本』を読んで浮かんだ3つの疑問」へのコメントです。


円安になれば、輸入が抑制される一方で、輸出が増加し、貿易収支は黒字になって円高圧力が高まり、バランスする。これが経済学の教える一般的な常識です。こちらの原理が忘れられているのは、不思議な話です。

一方為替水準は、投機的な思惑で上下しますし、政策的な動きでも上下する。短期的な思惑の他に、経済成長著しい国の通貨が買われ、衰退する国の通貨が売られる。また、金利の高い通貨が買われ、金利の低い通貨が売られる。後者が現在生じている、ドル高円安の主因で、多くの方の注目するところです。

為替水準が貿易収支に及ぼす影響は、たとえば円安が進んだ結果、「アイフォンが高くて買えない」ことになれば、国内産のスマホが売れることになる。貿易収支は黒字側に傾くのですが、国内のスマホ工場の多くは既に海外に出ており、貿易収支でのリカバリーは弱くなっております。

この現象は、民主党時代の極端な円高で生じた空洞化の結果なのですが、改めて円安が進めば、国内の工場の収益が改善し、海外の工場の収益は悪化する。円安は、生産量の調整や生産設備の移動による生産の国内回帰を促進します。また、インバウンドは、国内の既存設備が利用できますので、収支改善は急速に進むでしょう。

長期的な為替水準を決めるのは国際競争力であり、その国の置かれた資源・環境的条件の他に、教育・文化水準などの人的条件も作用します。我が国は、教育程度が高い一方で、労働生産性が低いという問題があり、その解決も一方で要求されていることは、このエントリーの指摘される通りです。

1 thought on “ドル円を決める忘れられた要因

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