岡本裕明氏の11/16付けアゴラ記事「GDPが映す日本経済の近未来:50歳以下にはあまりにも厳しい社会」へのコメントです。
問題の所在はほとんど自明なのだが、適温状態と言いますか、ぬるま湯の中にいるようで、変えようと思わない人が多いという点が問題だ、ということなのでしょう。
何が問題かといえば、一つには1985年のプラザ合意。これで、1ドル200-250円だったのが100-125円になった。我が国の輸出産業は大きな打撃を受けたのですが、日本人はみんなお金持ちになったのですね。これがぬるま湯その1です。https://ecodb.net/exec/trans_exchange.php?b=JPY&c1=USD&e&s=&ym=Y
もう一つは、1990年代に起こった情報革命。BPRに代表される、業務の根底的な見直しと、情報技術の高度な利用が各国で進められ、事務職の生産性は急速に高まったのだけど、我が国ではこれが進まなかった。新しいことを始めるのは大変だし、古い人が失業したりもする。変化のないのは多くの人には適温だったのですね。ぬるま湯のその2です。
もちろんこんなぬるま湯がいつまでも続くわけはない。輸出産業が停滞すれば、国内の製造業も伸びはしない。海外に出た工場の人件費は外国人に行ってしまいます。そして、事務職の非効率さゆえ、新しく伸びた産業は海外企業に抑えられる。GAFAに貢ぐ結果となりました。
ではどうすればよいかも自明でして、製造業を国内に回帰させるには、為替の円安を進めればよい。これ、なぜかそういう方向にも進みそうになっており、その気があるなら、これを大いに進めればよい。そしてもう一つは、情報技術にキャッチアップするための人材の入れ替わり。雇用制度の変革なのですね。簡単な話です。
円安・えんやす。ひらがなで書くとやや柔らかい。