増田悦佐氏の12/26付けアゴラ記事「諸悪の根源は円安でした」へのコメントです。
国債の残高が1,000兆円を超えたと話題になる一方で、日本の個人金融資産の総額が2,000兆円を超えたというニュースがだいぶ前に流れておりました。この個人金融資産、半分以上が現預金で、円高になると膨れ上がる、デフレになると価値が増える、金利が上がると大いに儲かるわけですね。
この個人金融資産を大いに持っているのは高齢者。まあ、富裕層がキャッシュを大いに持っているのはその通りですけど、お年寄りが日本円を大いに抱えている。で、政府は高齢者に優しいですから、円の価値を大いに高めようとする。
でも、現役世代にとってどうかといえば、円高では給料が上がらない。円安で、ばんばん輸出ができると大いに稼げるのですね。実はそんな時代が1980年ごろまでは続いていた。1985年のプラザ合意以前は1ドルが200円から250円のレベル。我が国の工業製品(自動車、半導体、精密機器など)は世界を席巻しておりました。
これでは欧米諸国がたまらない、ということで円高に向けた協調介入をして、我が国の輸出産業を押さえにかかった。その結果、輸出産業がダメージを受ける一方、円は大いに強くなり、バブルが起こり、それが行き過ぎて崩壊する。金融危機が起こり、就職氷河期となり、以来30年にわたって我が国のGDPは増えず、給与総額も全然増えない。
まあ、我が国のもう一つの大失敗が情報革命に乗り損ねたことなのですが、そこまでを見れば、何が問題かわからなくてはいけません。目先を考えれば円高がうれしい。物価が下がりますから。だけど、日本の国力を高め、収入を増すには円安で行くしかない。朝三暮四を嫌い朝四暮三に満足するお猿さんが多い。それが今の日本の実情というのも、困ったものです。
大金持ちになりたいな。ハイ、タケコプター