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内需振興、問題は「やる気」

岡本裕明氏の12/26付けアゴラ記事「海外で稼ぐ日本だが内需振興はどうする?:二極化する日本社会と企業」へのコメントです。


内需が低迷するのは、ある意味あたり前の話で、1990年以来、国内の給与総額が増えず、GDPも増えておりませんから、先立つものがない、おぜぜがない、お手元不如意で、ない袖が振れない、簡単な話です。

何でそんなことになったかといえば、国内の製造業が低迷しているから。なぜ低迷しているかといえば、1985年のプラザ合意に始まる円高で、輸出産業がダメージを食らったことと、1990年代の情報革命に乗り遅れて、新しい産業、ビジネススタイルを、我が国はモノにできていない、海外の情報関連企業にいいようにされているからなのですね。

1985年の時点で欧米が円高を迫るのは、ある意味、分からないではない。その前の日本が、世界中に集中豪雨的輸出を掛けて、世界の産業に軒並みダメージを与えたから。自由市場での競争だから、弱肉強食は当然ではあるのですが、それでも少々やりすぎた。で、円高にして日本の輸出を押さえたのだけど、それで欧米の古い産業が息を吹き返したというよりは、単に中国を利しただけで終わったように私には見えるのですね。

情報革命への乗り遅れは、我が国の文化的構造的問題によるともいえるでしょう。情報技術がビジネスのあらゆる分野に変革を迫ったのだけど、これを受け入れるためには、数理技術的なバックグラウンドも要求されるのですね。年功序列、終身雇用などの固定的人事制度が障害となりましたし、「文系問題」などという言葉も一部にはささやかれております。

ここにきて、円高を修正する動きが見られたことは歓迎すべきことですが、これも、腰砕けに終わりそうな感じがしないでもない。我が国の雇用環境をめぐる問題を多くの人が意識したことは良いことではあるのですが、だから改善がなされるかどうかもわからない。まあ、先行きに少しの光は見えるけど、どうなるかは全然わからないのが今、といったところでしょう。

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