濱田康行氏の1/16付けアゴラ記事「重大な岐路に立たされる日本:渡辺努『世界インフレの謎』」へのコメントです。
世界的な(というよりも、世界の一部の領域で)インフレが進むのは、それほど不思議なことでもありません。
というのは、経済が成長していればインフレになり、経済が停滞していればデフレになる。1990年以降現在に至るまで、情報技術の格段の進歩が世界的な経済拡大をもたらしている。この結果、情報化先進国の経済は急拡大し、情報化後進国の経済は停滞している。あたりまえのことが起こっただけです。
情報化先進国の代表的存在がGAFA絶好調の米国であることは論を待たず、情報化後進国の代表的存在が我が日本であることも確かでしょう。なにぶん、情報技術の爆発的進歩が始まったインターネット元年とも言われる1995年からこっち、日本のGDPは全然増えていない。
これをどうすればよいかもわかっているのですが、我が国の場合、これに抵抗する人たちが多く、お先真っ暗。何が問題かといえば、固定的な雇用制度であり、談合体質とも言われる業界構造であり、これと調和してしまった(過剰適応ともいう)行政機関であるわけですね。
日本が自ら改革できれば何とかなるのですが、これを見限る動きはすでに出ている。新卒の優れた層の希望する就職先は、国内企業ではなく外資だし、我が国の優れた人々は海外を目指す。発展途上国の姿がすでにそこにあるのですが、この人たちがいずれ新たな日本を作ってくれることを期待することもできないわけではない。かすかな光は見えている、と、そういうわけです。
円安あんまり頑張ってくれなくなってきましたね。