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貿易赤字を減らすには

アゴラ編集部の1/19付けアゴラ記事「2022年の貿易赤字は過去最大の20兆円:11月の経常黒字は過去最大」へのコメントです。


かつての日本は、貿易黒字を続けていたのですが、2009年に始まる3年少々の民主党政権時代に、為替が極端な円高に振れ、我が国の輸出を支えていた電機・自動車などの組み立て産業は海外に逃避、空洞化が進みました。

この結果、貿易収支は赤字幅を拡大、安倍政権に代わってから貿易収支は赤字傾向にストップがかかったのですが、ついに元の黒字幅へとは復帰しませんでした。海外に逃げた工場は、多少の円安では、国内へは戻ってこないのですね。

日本は、エネルギーや原材料、食糧などの多くを輸入に頼っており、輸出して外貨を稼がないことにはこれらの購入に支障をきたす。救いは所得収支で、海外への投資が増加した結果、これからのリターンは増えている。でもこれは、会社や投資家へのリターンであって、働く人たちへのリターンは少ないのですね。こんなことをしていたのでは、国民は貧しくなってしまいます。

ここから脱却するためには、国内の産業を振興するしかない。そのための道は二つ。一つには、国内産業の競争力を高めること。技術的に海外企業を凌駕する技術をものにすることで、もっとも単純には、今日進歩が激しい情報技術をとことん使いこなすこと。そのほかには、素材やエネルギーでのディスラプティブイノベーションをものにして強い産業を作ることが挙げられます。

もう一つの簡単な手は、円安にすること。そもそも、円高で逃げた工場ですから、円安にすれば戻ってくる。幸か不幸か、アジア地区は中国というリスク要因が増大してきた。これへの対処のためにも、国内の工場を増やさなくちゃいけない。これが競争力を持つためには、もう一段の円安を実現する。簡単な話です。


ブログ限定でグラフを入れておきます。

まずは貿易収支。

そしてドル円の推移です。

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