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馬鹿につける薬は串揚げだけか

永江一石氏の2/7付けアゴラ記事「バカにとってSNSを使うことは自傷と同じ」へのコメントです。


馬鹿ですかぁ~、いいですね。私の研究テーマでもありますし、あまり参考にならないかもしれませんけど、一言、書いておきましょう。ちなみに文中敬称略です。

「馬鹿」は、理性の対極にある概念で、理性を狂気の一種とみなす人もいるくらいですから、馬鹿を肯定的に見る人も多い。有名どころでは、スティーブ・ジョブズの「ステイ・フーリッシュ(バカであれ)」ですけど、アントニオ猪木の「馬鹿になれ。とことん馬鹿になれ。恥をかけ 。とことん恥をかけ.」などもあります。

馬鹿に関する古典的名著、ホルスト・ガイヤーの「馬鹿について」では、馬の馬鹿(馬呆)は病気とみなされるが、人間の馬鹿は病気とはみなされず、ある場合には好ましい特性とみなされるとしております。この典型的な場所が軍隊なのですが、やくざや体育会系のスポーツ団体も似たようなものでしょう。古きやくざを扱いました浪曲「清水次郎長外伝・石松三十石船」では「馬鹿は死ななきゃ治らない」なるセリフが肯定的に語られております。

「馬鹿が移る」ということは多くの方が語るのですが、犯罪学の世界では「特異交友理論」というこれに近い概念があります。これは、諺の「朱に交われば赤くなる」と同一概念で、道徳概念は、友人や同僚など、日常的に付き合う人々に影響されるという理論で、企業犯罪を説明するものでもあります。つまり、企業犯罪の多くは、その部署の同僚がみな似たようなことをやっている。お互いに他人に影響を与え、犯罪とみなされるような行為を正当なものとみなしてしまっているのですね。

馬鹿も似たようなもので、友人たちのしていることに影響を受ける。昔はこれが限られた場だったのですが、SNSの登場で、馬鹿の感染力は一気に拡大した。馬鹿に付ける薬はないし、死ななきゃ治らない不治の病。二類指定でどうなるわけもなく、ここは、大阪に送り込んで、毎晩串揚げを食して二度漬け厳禁のルールを体に叩き込むしかなさそうです。


以下はブログ限定の追記(2/8)。

それにしても、このところの日本(世界もそうですが)、少々ぎすぎすしすぎるように思います。

オリビア・ニュートン・ジョンの1975年のヒット曲「Have you never been mellow?(邦題:そよ風の誘惑)」の歌詞をかみしめて見られることをお勧めします。

この邦題、原題と全然関係ないようですが、「mellow」とは、直訳すれば「まろやか」ですけど、ここでは「穏やかな気持ち」の意味。「ほろ酔い気分」などという意味もありますけど、要するに「ぎすぎす」の反対の概念なのですね。

理性で走ると余裕がなくなる。道を歩くときも、最短距離、最短時間で目的地に向かおうとすると、カーブは内周ぎりぎり、障害物もぎりぎりでかわすことになり、神経の休まるときがないのですね。

ここは少々の無駄も許容することにすれば、穏やかな気分で街を歩くこともできる。こういうのが「馬鹿」であるなら、馬鹿上等だと思います。ここは彼女の歌声を聞かれることをお勧めします。

1 thoughts on “馬鹿につける薬は串揚げだけか

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