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中国スパイ気球への賢い対処

岡本裕明氏の2/13付けアゴラ記事「どこに飛んでいくのか、気球問題:日本は世界でもまれに見るスパイ天国」へのコメントです。


日本でなぜ打ち落とせないのか、と言えば武力行使をするには「組織的、計画的な武力行使」があった時と限定されているからとされます。

どのみち日本は平和ボケなのですから、最初から最後まで、すっとぼけておけばよい。つまり、正体不明の気球は、軍事的なものだとも思わないし、スパイとも思わない。誰かが間違って飛ばしてしまった遺失物じゃないですかぁ、と。

それなら、拾って交番に届けるのが正解ですね。その時、持ち主が誰か、一通り調べておく必要もある。危ないものかどうかの検査も必要ですから、それ相応の機関(自衛隊の研究所など)での調査が必要でしょう。

風船をとらえるには、風船に類似した硬式飛行船がベスト。ここから網を打ってからめとればよい。最近の飛行船は、ファイバー強化した気嚢にヘリウムを出し入れして浮力を調整する機能もあり、無線操縦のドローン飛行船でのUFOキャッチもさほど難しくはないでしょう。

この落とし物、持ち主が現れない場合(たぶんそうなる)、競売にかければ、元が取れるのではないかと思いますよ。まあ、その前に、米軍にひと声かけておきますか。「あんさん、えーもん、手に入りましたでぇ」とか。


以下、ブログ限定で情報を追加しておきます。

飛行船というと過去の遺物のように思われるかもしれませんが、2013年にプロトタイプのテスト飛行に成功したエアロスクラフトは、内部に加圧ヘリウムが格納できるファイバーで強化された高圧気嚢をもって数気圧に加圧されたヘリウムを溜めておき、このヘリウムガスを柔軟な気嚢に送り込んで膨らませることにより浮力を増大し、逆に柔軟な気嚢のヘリウムを高圧気嚢に注入することで浮力を減らす機能を持っております。

従来の飛行船は、上昇するときは砂袋を落として機体を軽くし、下降するときはヘリウムを抜いて浮力を減らしておりましたが、こんなことをしていては貴重なヘリウムがいくらあっても足りません。そもそも、ヘリウムは天然ガスに随伴して産出されるもの。さらに、近年比率が高まっておりますシェールガスはヘリウムを随伴しないという問題があり、いずれヘリウムの資源問題が発生することは目に見えているのですね。

この問題に対する解は二つあり、一つは水素ガスを使うこと。水素は可燃性で、かつてヒンデンブルグ号の火災事故があったがゆえに、飛行船への水素の利用は行われていないのですが、水素を安全に使う技術もあり得ないではない。水素燃料電池で自動車を走らそうという時代なら、飛行船だってありということになりそうです。

もう一つの解は、ヘリウムを他の元素から作り出すこと。実は、核融合が実用化されると、ヘリウムを副製する。核融合で生まれるエネルギーに比べて、ヘリウムの量は少ないのですが、ヘリウム消費の少ない飛行船を同時に開発すれば、何とか使えるかもしれない。まあ、現実的には、無人のドローンは水素で浮かべ、人が乗る飛行船、特にお客を載せるものはヘリウムで飛ばすのがよさそうですが。

いずれにせよ、まずは軍用の無人飛行船を開発し、粘着剤を塗布した投網を射出してUFOをキャッチ、これを地上に持ち帰るというのが第一でしょう。相手はバス三台分もある大物ですが、硬式飛行船の全長は数十メートル程度あるのが普通ですから、おそらくは双方合わせても当方の飛行船の浮力コントロール範囲に収まるのではないかと思います。

現在米軍がおこなっているような、「ミサイルで風船を打ち落とす」などというやり方は、コストパフォーマンスが悪い。こんなことをやっておりますと、山のように多数の風船を送り込まれた場合、たちどころにミサイルが尽きてしまいます。ここは、たくさんの投網(鳥餅を付けたロープが良いかも)を準備して一つずつ処理するのが正解。たくさんのUFOが獲れた時には大漁旗を掲げて基地に帰還するのが良いのではないかと思います。飛行船だって船なのですからね。

1 thoughts on “中国スパイ気球への賢い対処

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